13.並べた肩 ページ13
.
結局、この人がいるかどうかはここに行かなきゃわからない。
『ここら辺に住んでるの?』
「いえ、6個くらい隣の駅です」
『ふーん』
自分から聞いてきたくせに、質問に答えたら興味も無さげ。
でもどうしてこの駅に降りたの?と聞かれて、友達と遊んだ帰りです、と答える。
遊び?勉強会?愚痴会?
あーまた進路のこと思い出しちゃった。
「はあ」
思わずため息をついていた。
『悩んでんの?ため息なんてついて』
「…」
『初対面のやつには言いたくねえよって?』
…そんなんじゃない。
このモヤモヤが気持ち悪いだけ。
夏休みの宿題が全然終わってないのに、遊びまくっているときみたいな。
忘れようとしているのに、忘れるなって、
悩みの種がわたしを掴んで離さない。
『初めて降りる駅で、知らない道ホイホイ歩くなんていい度胸してるよ』
ふっと笑ってわたしを見る。
『駅まで戻れんの?』
そんなこと聞かれても、うん、とは自信を持って言えない。
だってわたしは、初めて行くところは、絶対マップを開かないと行けないくらい方向音痴だから。
『駅まで送ってってあげる』
.
88人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Mare(プロフ) - とても心に残るようなお話で、とても面白かったです。更新停止されている様ですが、続きが気になってしまい、感想を書かせていただきました。無理なさらず、がんばってください! (2018年8月25日 23時) (レス) id: 4b7fd3f8d2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ぽ。 | 作成日時:2018年3月7日 18時