7〜過去篇〜 ページ7
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「なんか、ごめんな…いい歳した大人が」
「いえ…」
ひたすら泣き続けた俺を、男はずっと腕の中に抱き込んでくれた
ようやく涙が止まった時、泣きすぎて朦朧となる俺を優しく撫でてくれた男は、自身の赤くなった目尻を摩りながら照れ臭げに笑った
「嬉しかったです…ありがとうございます」
そう言って見上げると、男は一瞬驚いた後、ぱっと嬉しそうに笑った
「なんだ！笑えるじゃん！」
「え？」
「初め、凄い貼り付けた感のある笑顔だったからさ」
良かったと頷く男
どうしてここまで他人の様子で嬉しくなれるのか
「俺は風間。風間篤宏(あつひろ)って言います」
「俺は…ご存知ですよね」
男…風間は俺を"死神"だと認識していたのだから、名乗る必要は無い
そう思ったのに、また風間の表情は曇った
「だから！名前は？って聞いたじゃん」
「知ってたじゃないですか」
「ちーがーう！名前！」
いまいちピンと来ない俺に、風間は辛そうに顔を歪めてぽたりと呟いた
「そうさせたのも、この世界なんだよな…」
「え？なんです？」
何でもないと微笑んだ風間は、ずいっと顔を突き出して言った
「名前って、お前が母親から貰った名前だよ
あるだろ？"死神"じゃない、お前の名前」
名前
もう何年も呼ばれた事も、呼んだ事もない
思い出した事すら無い
暖かな人生を思い出せばそれだけ辛くなるから、無意識に仕舞い込んでいた
脳裏に蘇る日々
『ーーき』
『ーーば』
『ーさきくん』
『まーくん』
「俺は…相葉、相葉雅紀…です」
口がからからに乾く
久々に紡いだ音は、切なくなるほど幸せな記憶と共に身体中に染み渡った
知らず頬に笑みが浮かぶ
本当の笑顔すら、久しくしていなかった
「雅紀…いい名前だな」
微笑んだ風間が、感慨深そうに頷いた
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crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮！！ 色々な名言が生まれたイイお話でした。 (11月21日 0時) (
レス) @page17 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮 (2023年4月24日 0時) (レス) @page18 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろ様、コメントありがとうございます！一気に読んでいただいたと言う事で、感激です…！番外編の方もどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮様、ここまでお付き合い下さりありがとうございました！櫻宮様のコメントに何度励まされた事か…！ありがとうございました！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - おすすめに出てきたことをきっかけに読ませていただきました。ここまで一気に読み切り、楽しませていただきました。ありがとうございます。大好きです！番外編も楽しみに読ませていただきます。 (2021年3月3日 17時) (レス) id: 84d56b057b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリン | 作成日時：2020年9月19日 11時
