5〜過去篇〜 ページ5
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ここまでくりゃいいか…
そんな考えが浮かんだとたん、足から力が抜けてしまい、薄暗い路地の壁に背をつけて座り込んでしまった
腹と足からは、絶えず赤い液体が流れ続ける
唯一の武器である銃は、既に弾切れであり、よくここまで誤魔化せたものだと思ってしまう
仕事中、子供に遭遇した
捨て置けば死んでしまう状況下で、気にしていれば自分が危うくなることは分かっていた
それでも、見捨てる事は出来なかった
自分を囮に子供に逃げ道を作ったけれど、上手く逃げられただろうか
追っ手は何もターゲットの関係者だけじゃない
最近は国際手配になったらしく、FBIも付きまとってくる
出血は布を巻いて抑えているが、血が足りないせいか、意識が朦朧としてきた
ーーああ、遂に終われるのか
そう思いながら、霞んでいく意識に身を委ねる
意識が無くなるその瞬間、遠い記憶がふいに浮かんでは消えていった
体を包む暖かいぬくもりと鼻をくすぐる香りを感じ、俺は重たい目蓋を持ち上げた
知らない天井、知らないベッド…
そこまで認識した瞬間、体が勝手に跳ね上がり、腰に手が伸びた
銃がない……
体を見てみれば、傷は丁寧に処置されていて、いくらか意識がはっきりしていた
同じ空間にいる気配を探ってみると、扉の向こう側に一人分の気配があった
その気配は徐々に近付いてきて、ゆっくりとドアが開かれた
「あ、起きました？」
そう呟いた男は、そのまま部屋に入ってきた
纏う雰囲気からして、30代後半ぐらいの堅気
それも、見た目と言語からして日本人だ
警戒心をむき出しにして脱出を困難にする訳にはいかない
「気分はどうです？」
そう問いかけてきた男に、俺は微笑んだ
「ありがとうございます、大丈夫です
助けて下さってありがとうございます」
そんな俺の顔をじっと見つめた彼は、そっと息をはいてベッド脇の椅子に座った
その行動一つ一つを注意深く見ながら、俺は部屋の中を瞬時に確認した
武器になりそうな物は無い
脱出は格闘術を駆使するパターンでいけるな
「……君、名前は？」
「……え？」
名前、ともう一度問われ、俺は一瞬戸惑った
"死神"も"Green"も、俺を表す単語ではあるけれど、名前ではない
今は仕事中ではないから、仮の名前も用意していない
「君、"Peapar"ーー"死神"だろ？」
静かに注がれた名に、俺は瞳を鋭くさせた
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crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮！！ 色々な名言が生まれたイイお話でした。 (11月21日 0時) (
レス) @page17 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
crow - Finalの相葉ちゃんに大興奮 (2023年4月24日 0時) (レス) @page18 id: 437ea3d9a6 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - ちぇろさん» ちぇろ様、コメントありがとうございます！一気に読んでいただいたと言う事で、感激です…！番外編の方もどうぞ宜しくお願い致します。 (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» 櫻宮様、ここまでお付き合い下さりありがとうございました！櫻宮様のコメントに何度励まされた事か…！ありがとうございました！ (2021年3月6日 22時) (レス) id: befc5e26fa (このIDを非表示/違反報告)
ちぇろ(プロフ) - おすすめに出てきたことをきっかけに読ませていただきました。ここまで一気に読み切り、楽しませていただきました。ありがとうございます。大好きです！番外編も楽しみに読ませていただきます。 (2021年3月3日 17時) (レス) id: 84d56b057b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリン | 作成日時：2020年9月19日 11時
