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No.side
「アニキ、最近穏やかっすね」
「そうか？」
上田が運転をしながら、後部座席に座る櫻井に話しかける
書類に目を通していた櫻井は顔をあげ、ひょいっと片眉を跳ねさせた
「なんかあったんすか？」
「んー……、けじめが付けられたかな」
「けじめ……なんの？」
「秘密〜」
そんな事を話しながら目的地に着くと、櫻井は車を降り、上田に明日の迎えの時間を確認して扉を閉めた
その後ろ姿が闇に紛れた事を確認した上田はすっと真顔になり、スマホを取り出して電話をかけた
「上田です…ええ、順調です……"松岡"さん」
「順調だってよ」
開店前のLotusのカウンターで通話を切った松岡が、カウンター裏に立つ相葉に言った
「そう」
「腕は鈍ってねぇよな？」
松岡が口角を上げながら言うと、ふっと微かに相葉が笑った
その時、かたんと音がして、店の奥から青年が顔を出してきた
所々に包帯や湿布をちらつかせる青年は、不安げな瞳を相葉に向けた
「おいおい、吉本組の組長ともあろうお方が、なんてツラしてやがる」
そう言って笑いながら松岡は立ち上がり、青年の肩に手を置いた
「あとちょっと踏ん張れや、風間」
松岡の後ろでは、相葉が風間には目もくれず、手先に視線を落としていた
その手には、染み付いた血と硝煙で錆びれた、古い銃が握られていた
細い路地裏で、大野は空を見上げてため息をついた
ありとあらゆる方法で探っても、これといった情報は手に入らなかった
まるで意図的に隠されているように、相葉雅紀に関する情報は少なく、あったとしても、大野たちが知るような情報しかなかった
「どうしたもんかね…」
松岡とも面識を持っていた相葉は、今回は大野達に利益をもたらした
けれどもし相葉が、松岡たち吉本組側に加担する者だったら、今回の事も全て、吉本組の掌の上ということになる
「はぁ…」
ーー仲間だと、そう言い切りたいのだ
軽く頭を振った大野が歩き出そうとしたその時、微かに背後で物音がした
大野が振り返ると、大野とさして変わらない身長の男が静かに立っていた
「大野智だな」
「そうだけど？」
平凡に答えると、男は建物の影から姿を出して表情を光の元に晒した
「相葉雅紀の事が知りたいなら、彼を救うと約束しろ」
そう言った男は、悲しげな瞳をしていた
ミントジュレップ
第三章 〜因縁〜 fin
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櫻宮 - もちろんです！！楽しみ！！ (2020年7月11日 13時) (
レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» コメントありがとうございます！相葉と二宮の関係がはっきりするのはもう少し先になるかと思います。ご想像とは違う形になるかも知れませんが、今後の展開も楽しんで頂けたら幸いです (2020年4月11日 23時) (レス) id: c94e130b17 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - 相葉ちゃんとにのちゃんは昔から仲が良かったのかな？という勝手な妄想を膨らましてる櫻宮です。お話がどんどん急展開してきましたね。凄く続きが読みたくてうずうずしてます！ (2020年4月11日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
櫻宮 - もちろんです！彼の存在が吉と出るか凶と出るか。楽しみです！！ (2020年3月18日 12時) (レス) id: 95d5f07b44 (このIDを非表示/違反報告)
エリン(プロフ) - 櫻宮さん» とっても嬉しいお言葉を送って下さり、ありがとうございます！その様な風に評価をして下さる方がいらっしゃると思うと感激です…！これからも更新は遅いですが、よろしくお願い致します (2020年3月17日 21時) (レス) id: c94e130b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エリン | 作成日時：2020年1月19日 21時
