後夜祭 ページ17
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片付けは明日一日設けられているから、今日ははしゃいだ勢いで家に帰る人がほとんどだ。
家方面に向かう生徒たちが、ちらちら私たちの方を見てきて視線が痛かった。
「後夜祭、キヨと約束してなかったの？」
「うん。何か忙殺されて考えてなかったなぁ」
「ふーん……」
何だか腑に落ちない返事だったから、どうしたの？と尋ねてみたら「キヨが体張って主役演じたの、何でかわかる？」と質問を返された。
「……わかんない。どうして？」
「劇で上手くやって、いい意味で目立ったら三島は俺のことをもっと好きになってくれるかな〜、みたいなこと言ってたんだよ。何か変な所で純粋……てか、子どもだよなあいつ」
夏祭りの時、清川は私に行った。
特に考えてないけど、とりあえず俺のことをもっと好きになってもらう作戦でいくって。
「ここぞっていう時にちゃんと決めるから凄いよなぁ、あいつは」
「……うん。私もそう思う」
好きで好きで仕方がなくて、私今幸せですって涼星にはっきり言えたら、笑ってくれるかな？
「そこまで好きなら仕方がない」って返してくれるかな？
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文化祭を楽しんで、一足先に家に帰ってきたお母さんも、「やっぱり無理してたんじゃない……」とフジみたいなことを言った。いや、フジがお母さんみたいなことを言ったのか。
お母さんはミスコンを最後まで見ていて、私が指名されたことも知っていたけど、「足に爆弾抱えてまで無理に行く必要ないわ」と包帯を巻きながら私を見上げた。
「わかってる。でも、本人に会ってないから怪我の事情も知らないだろうし。行くだけ行くよ」
「そう……無茶はダメよ」
「ありがとう。行ってきます」
終始眉を八の字にするお母さんに笑顔で手を振って、ゆっくり歩き出す。文化祭当日は人が増えるから、学校周辺を車で通るのは禁止されていたから、学校までの長い道のりを地道に踏みしめ始めた。
なかから明かりが漏れていたので、特に何も考えず生徒会室の扉を勢いよくあけると中にいた委員が驚いて私に視線を送った。
「あ、すみません……三島です。ミスコンの……」
「あ〜三島さんね！蛍ちゃんが奥でキレイにお直ししてもらってるから待ってね〜」
「は、はぁ……」
別に自然体でいさせてあげたらいいのに……と首を傾げる。写真とか要求されるんだろうな、って考えたら、私がアシスタントになる未来が見えて誰に向けたわけでもないが露骨に嫌な顔をした。
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煎茶(プロフ) - lucoさん» とんでもない、毎度とても元気を貰っていて精神安定剤のような存在ですよ。笑 次作は少し物騒ですが、luco様に気に入っていただけると嬉しいです！ (2018年9月2日 22時) (
レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
煎茶(プロフ) - トウセさん» トウセ様初めまして、最後までお読みいただきありがとうございました！コメントとっても嬉しいです。短編集で書かせていただきますので、良かったらまた覗いてやってくださいませ！ (2018年9月2日 22時) (レス) id: ea34eab2cb (このIDを非表示/違反報告)
luco(プロフ) - どこにでも顔を出す読者ですみません...！完結おめでとうございます！！学生らしいkyさんに固まってた心を綺麗に溶かしてくれる...そんなは素敵な長編に心が温まりました。次作も楽しみにしてます。 (2018年9月2日 20時) (レス) id: 2a3978e9c4 (このIDを非表示/違反報告)
トウセ(プロフ) - 今までご更新お疲れ様でした！番外編も楽しみにしてます！！！ (2018年9月2日 18時) (レス) id: 46e623b35e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：煎茶 | 作成日時：2018年8月15日 22時
