口内炎なんだし、 ページ9
「ただいまー」
≪おかえり≫
「ん？」
彼女の声が聞こえてくることは無く、何故か紙に『おかえり』と書かれていた。
表情は、どんよりと暗く感じた。
≪今日珍しく暑かったねー≫
「そうだね、汗ダラダラ止まらなかったよ」
≪ねー汗拭きシート無くなっちゃった≫
「てか、どうして筆談？」
俺の言葉にピタッと動きを止める彼女。
そして暗い顔のまま紙に書き始めた。
≪口内炎悪化しちゃって、食事どころか話すのも辛いんだ…≫
「あれま、そうだったのか」
≪あと１日は筆談生活になりそう≫
「薬飲んだ？」
≪買いに行く気力なかった≫
「もう、」
世話が焼けるなぁ、そんな抜けてるところも好きだけど。
ガサゴソと自分の荷物を漁る。
お、あったあった。
「痛み止めは無いけど、塗り薬発見」
≪…それ大丈夫？≫
「というと？」
≪何年前の？≫
「失礼な、ちゃんと最近買ったやつだわ」
まぁ薬には消費期限書いてないから信用してもらえるの難しいけども。
そして相変わらず俺の部屋がフィーバー状態だからっていうのもあるし。
痛みが強くなってきたのか、彼女の顔が暗いものから泣きそうな感じへと進化した。
「ほら、塗ってあげるから少し口開けて」
≪！？≫
「どうしたの、ほら」
≪だ、大丈夫！自分で塗れるよ！≫
「ダーメ、ほら開けた開けた」
俺が綿棒とティッシュを持ってくると観念したのか大人しく控えめに口を開ける彼女。
上目遣いになるのはしょうがないことだけど、この姿そそるな。
ティッシュで歯茎の水分を優しく拭きとり、綿棒に付けた薬をそっと塗っていく。
「なんかさ、」
≪どうしたの≫
「塗り薬ってさ、当たり前だけど、こう、さ」
≪おいやめろそれ以上言うな≫
「卑猥だよね」
≪言うなってば！≫
ごめんよ、俺の口が勝手に暴走機関車乗ってたわ。
無事に塗り終わり、綿棒を捨てる。
「はい完了」
≪ありがとう≫
「それでも酷くなったら痛み止め飲みなよ？」
≪御意≫
ぷくっとした唇をそっとなぞる。
何かを察知したのか慌てて離れ、紙に書き出す彼女。
≪分かると思うけど、今日はキス禁止！≫
「えー何でー？」
≪ポンコツな君でも分かるでしょ！口開けられないからだよ！≫
「じゃあ、」
じわじわとAを数cmの距離まで追い詰める。
≪な、なんでしょう≫
「口開けないキスだったらいいんじゃね？」
≪！≫
彼女の有無を聞く前にそっと啄む様なキスを繰り返した
***
口内炎出来た時は飲み薬より塗り薬が確実
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107(プロフ) - しがないウオタミさん» 赤わーいです！続編がこんなに遅くなってしまって申し訳ないです。 (2018年11月1日 22時) (
レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 〇したさん» 遅くなってしまって申し訳ありません、やっと続編が出来ました！ (2018年11月1日 22時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
しがないウオタミ(プロフ) - お星様赤色おめでとう御座います！続編とても楽しみにしています！頑張って下さい！ (2018年1月10日 23時) (レス) id: 2a9287a38a (このIDを非表示/違反報告)
〇した(プロフ) - わーい！記念の100票目取れました！続編楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月28日 4時) (レス) id: 098190420b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - たちょらーさん» 報告ありがとうございます！直ちに編集しておきますね！ (2017年12月15日 19時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2017年12月3日 17時
