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怯懦男なんだし、２ ページ21
手紙に記されていた番号にかけてみよう。
プルルルと無機質な音の後、ガチャッと鳴る。
「はい、了解しました」
「？」
店名も何も言われず、突然の返答に戸惑う。
「あー荷物お預かりしています」
「あの、」
「えー指定日にお届けします」
「…」
彼からの謎の荷物は、半年後に届いた。
私の誕生日。
「中身は、何ですか？」
「いやーそれは分かりませんよーハンコ下さい」
「…」
「あなた宛てに来年もですね、荷物お預かりしてますので、えー残り５つですね」
「…残り５つ？」
「あっざまーす！」
次の誕生日も、いや、５年先の誕生日も彼からプレゼントが届くというのか。
粘着力の強いガムテープを途中で千切れない様に剥がす。
小さいメモ用紙に「誕生日おめでとう」と、見覚えのある字で書かれていた。
少し目尻が潤んだ。
感傷的になりながらも開封する。
「っ、ひ、ああっ、あ、あ、」
そこに入っていたのは、成人男性と思われる手だった。
嘔吐感を必死に抑える。
後退りしながら便箋の方の手紙を読む。
Aへ
驚くな、発泡スチロール製だ。
これは、俺の腕そっくりに作ったんだ。
お前は、俺が居ないと生きていけないだろうから。
お前が生きていけるようにこれは、お守りなんだ。
忘れられるのは、耐えられない。
としみつより
恐怖の対象となった手を恐る恐る持ってみる。
…柔らかい。
その一年後、左手が届く。
次の年には、左足。
その次には、右足。
それらを繋ぐ胴体。
彼をなくして６年目の冬。
最後に頭が来るかと思い冷や冷やしていたら、花が来た。
胴体にぶっ挿して顔にした。
「としみつ、私もう歳取り過ぎてしまった」
出来上がった身体に寄り添いながら、思わず呟く。
６年だよ。
もうそんなに経ってしまったんだよ。
本当に居なくなってしまったんだ。
遅過ぎる実感に襲われた。
カラカラとベランダの扉を開ける。
さっきまで一緒に座っていた身体も連れて、
身を、投げる。
としみつが一人で寂しいなら、私も。
逝ってやる。
もうコンクリートに頭が到着するかな、と思いきや。
発泡スチロール勢の仮としみつの身体がクッションになり、阻止された。
強い衝撃で私は吹っ飛ぶ。
身体は、崩壊した。
唖然。
数秒、停止。
私は、10階建てのマンションから落ちたとは思えない軽傷だった。
落ちた先に居たゴミ捨て業者の方と目が合う。
「あの、これ燃えるゴミで」
***
変身のニュースから『ダンくんの心配』パロでした
店名も何も言われず、突然の返答に戸惑う。
「あー荷物お預かりしています」
「あの、」
「えー指定日にお届けします」
「…」
彼からの謎の荷物は、半年後に届いた。
私の誕生日。
「中身は、何ですか？」
「いやーそれは分かりませんよーハンコ下さい」
「…」
「あなた宛てに来年もですね、荷物お預かりしてますので、えー残り５つですね」
「…残り５つ？」
「あっざまーす！」
次の誕生日も、いや、５年先の誕生日も彼からプレゼントが届くというのか。
粘着力の強いガムテープを途中で千切れない様に剥がす。
小さいメモ用紙に「誕生日おめでとう」と、見覚えのある字で書かれていた。
少し目尻が潤んだ。
感傷的になりながらも開封する。
「っ、ひ、ああっ、あ、あ、」
そこに入っていたのは、成人男性と思われる手だった。
嘔吐感を必死に抑える。
後退りしながら便箋の方の手紙を読む。
Aへ
驚くな、発泡スチロール製だ。
これは、俺の腕そっくりに作ったんだ。
お前は、俺が居ないと生きていけないだろうから。
お前が生きていけるようにこれは、お守りなんだ。
忘れられるのは、耐えられない。
としみつより
恐怖の対象となった手を恐る恐る持ってみる。
…柔らかい。
その一年後、左手が届く。
次の年には、左足。
その次には、右足。
それらを繋ぐ胴体。
彼をなくして６年目の冬。
最後に頭が来るかと思い冷や冷やしていたら、花が来た。
胴体にぶっ挿して顔にした。
「としみつ、私もう歳取り過ぎてしまった」
出来上がった身体に寄り添いながら、思わず呟く。
６年だよ。
もうそんなに経ってしまったんだよ。
本当に居なくなってしまったんだ。
遅過ぎる実感に襲われた。
カラカラとベランダの扉を開ける。
さっきまで一緒に座っていた身体も連れて、
身を、投げる。
としみつが一人で寂しいなら、私も。
逝ってやる。
もうコンクリートに頭が到着するかな、と思いきや。
発泡スチロール勢の仮としみつの身体がクッションになり、阻止された。
強い衝撃で私は吹っ飛ぶ。
身体は、崩壊した。
唖然。
数秒、停止。
私は、10階建てのマンションから落ちたとは思えない軽傷だった。
落ちた先に居たゴミ捨て業者の方と目が合う。
「あの、これ燃えるゴミで」
***
変身のニュースから『ダンくんの心配』パロでした
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107(プロフ) - しがないウオタミさん» 赤わーいです！続編がこんなに遅くなってしまって申し訳ないです。 (2018年11月1日 22時) (
レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 〇したさん» 遅くなってしまって申し訳ありません、やっと続編が出来ました！ (2018年11月1日 22時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
しがないウオタミ(プロフ) - お星様赤色おめでとう御座います！続編とても楽しみにしています！頑張って下さい！ (2018年1月10日 23時) (レス) id: 2a9287a38a (このIDを非表示/違反報告)
〇した(プロフ) - わーい！記念の100票目取れました！続編楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月28日 4時) (レス) id: 098190420b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - たちょらーさん» 報告ありがとうございます！直ちに編集しておきますね！ (2017年12月15日 19時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2017年12月3日 17時
