飛び降りたいんだし、 ページ14
※付き合う前
もう嫌だ、限界。
私はこの社会、世界に疲れた。
後は残りのみなさんに託しました。
私は先にリタイヤします。
脳内で遺書を作成する。
誰も読むことのない空想の遺書を何度も頭の中で読み続ける。
無事に先逝けたら、あの世のレポートでも作成するかな。
そして気になるあの人の頭上にひらりと落としてやる。
ま、そんな漫画的なこと上手く行く筈無いけどね。
さよなら、鬱陶しい通勤電車。
さよなら、冷ややかな視線。
さよなら、面倒くさい女の妬み。
…さよなら、あの人。
カシャッ、と金網に手をかける。
今時飛び降りなんてベタだけど、この方が楽、そう。
「何してるの？」
「…え、」
手をかけたまま後ろを見るととしみつさんが居た。
どうしてここに居るのに分からない。
でも、あの人、だ。
「私、鍵をかけた筈なのに、」
「あ、俺ここの警備のおっちゃんと仲良いから」
チャリン、とポケットから出される大量の鍵。
憎めない笑顔がまた腹立たしい。
「気になってる子が屋上向かっていたらそりゃ追いかけるでしょ」
「は、何言ってるんですかあなた」
「…鈍感、気付けや(小声)」
ポカンとする私。
当然でしょ？みたいな顔をするとしみつさん。
「必要とされていない私を好きになるなんて趣味悪いですよ」
カシャ、と金網に入れる足の力を少し強くする。
「そしたら、俺が君を必要にしてるって言ったら、そこから飛び降りるのやめてくれる？」
「…じゃあ、あなた私に何してくれるって言うんですか」
出来ないでしょ、出来ないから早く去ってよ。
死ぬ寸前にこんなやり取りしたくない。
あの人にこんな死ぬ前の所なんか見られたくない。
私は安らかに逝きたいんだ。
「そうだな、一緒に死んであげることくらいは出来るよ」
「は？」
「それじゃ、ダメなの？」
何を言っているんですか。
ダメだよ、ダメに決まっているじゃない。
「あなたはみんなから必要にされてて、」
「俺は、好きな子が居ない世界なんて嫌だな」
「もう、嫌」
ペースを掻きまわされている。
飛び降りでさえ疲れるのにここで消耗するのは嫌だ。
もう少し死ぬのは後にしよう。
ダラン、と諦めたように床に着く私。
「よしよし、何か飲む？」
「無駄に値段高いカフェのミルクティーが良いです」
「お安い御用」
***
何かで限界迎えた時よく冒頭の遺書を脳内で読む
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107(プロフ) - しがないウオタミさん» 赤わーいです！続編がこんなに遅くなってしまって申し訳ないです。 (2018年11月1日 22時) (
レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 〇したさん» 遅くなってしまって申し訳ありません、やっと続編が出来ました！ (2018年11月1日 22時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
しがないウオタミ(プロフ) - お星様赤色おめでとう御座います！続編とても楽しみにしています！頑張って下さい！ (2018年1月10日 23時) (レス) id: 2a9287a38a (このIDを非表示/違反報告)
〇した(プロフ) - わーい！記念の100票目取れました！続編楽しみです！更新頑張ってください！ (2017年12月28日 4時) (レス) id: 098190420b (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - たちょらーさん» 報告ありがとうございます！直ちに編集しておきますね！ (2017年12月15日 19時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：107 | 作成日時：2017年12月3日 17時
