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感情をなくした唇 / Toshimitsu ページ25

少人数の撮影の帰り、なんとなくAの家に寄りたくなった。

ド深夜ではないけども、時間も時間だし、一応LINEを送る。


としみつ:今から行っても良い?
A:良いけど、今人間じゃないよ
としみつ:!?
A:とりあえず、来たら分かるから
としみつ:お、おう分かった

そこで終了。
人間じゃないって、何だ?

色んな予想をしてみる。

・散髪を失敗した
・お気に入りのアクセが壊れた
・メンバーカラーのピアスをなくした
・とある動画撮影で大怪我をした

これくらいしか思い付かないんだけども。

最後に至っては、一緒に撮影してた奴、フルボッコだかんな。
てつやは絶対入っていると思うから、あいつはボコボコ確定。

Aの家に着き、オートロックの方のインターホーンを押す。


「あ、A、としみつ」
「…(ガチャ)」

え、返答が無かったけど、大丈夫なのか?
一応ロックは、解除されているけども。

恐る恐る中に入り、第二関門も突破。


「A、どうしたんよ」
「…」
「喋らんと分からんって」
「、たい」
「え?」
「口内炎、いた、喋れな、痛い」

あ、そういうことだったのか。
その喋り具合によっては、中の上まで成長しているぞ。

上手く話せないのか、Aが気まずそうに飲み物を準備する。

そんなに気を遣わなくても良いのに。
突然来たいって言ったのは、俺だから。


「ちょっと防音室借りるわ」
「え、いい、けど、」

ケースから完全にアコギを取り出して、完全に今すぐでも弾ける状態にする。

そして、そっと歌いだした。


「いつも不安でいた過ぎる日々に怯えていた、」
「、」
「いつか夢に見てたそこからの景色を、」
「、」
「あの日に似た姿は、いつまでも僕らの憧れで終われないよ、」
「っ、」
「さぁ、今僕たちにすぐ出来ること、」
「、」
「それから始めよう」
「、」
「今日だって僕達は、答えを探すけど、」
「ちょ、ま、」

歌い終わる前に止めるA。
少し、涙ぐんでいた。

「としみ、つ、ありあと」

言いづらそうに口を動かすAは、小動物並みに可愛かった。









***

歌詞検索引っかからんからわざわざ『【奇跡のゴール】ゴミ箱にシュート決まるまで帰れません!!!』から聴き取ったよ

脳みそがメロンパン / all→←二時二分 / Ryo



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107(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!このコメントを見て自分ワクワクしてきました! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 毎日の楽しみでこの作品読んでました!続編見て見たいです(^^) (2017年10月21日 23時) (レス) id: 4547495416 (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - Ma-chinさん» ありがとうございます!このコメントが私の励みになります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
Ma-chin(プロフ) - 大好きな小説です!!!続編見たいです! (2017年10月21日 22時) (レス) id: a22175d5dc (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 如月梦【ゆめ】さん» ありがとありがとうございます!たまにうんちくぶっこみたくなります( ^)o(^ ) (2017年8月6日 21時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:107 | 作成日時:2017年7月19日 22時

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