こんな世界は白々しく沈んでいく / Toshimitsu ページ14
自身のラスト曲も終わって、会場はざわついていた。
無理もない。
今日の担当の執事カラーのピアス色を付けてきたのだから。
「もしかして今日誰が来るってバレてるー!?」
\バレてる/
「としみ、」
\つー!/
ぎゃー!と、さらに会場は盛り上がる。
みんな、グッズ販売で買ったであろうミニタオルをブンンシャカしてる。
「そこまで言われちゃ仕方ない!では、登場!」
\キャー!/
「うるせーぞお前ら!」
\キャー!/
緑のピアスを付けてから、前半からそわそわしている子も居たな。
一人MC中の時に「今日は、としみつですかー?」なんて、聞こえた時はビビったけども。
「はい!本人が出た所で解散!」
\えーもう?/
「今日は、Aメインなんだよ!バーカ!」
「皆さん、忘れ物に注意して気を付けて帰ってくださいね」
「余韻に浸りやがれ!バーカ!」
「私らは、手配したタクシーで優雅に帰りますので決して待ち伏せなどしないように!」
もはや、としみつに至っては「バーカ!」しか言ってないっていうね。
手配したタクシーを自宅ではなく、自宅付近で降ろしてもらう。
このだらんとした、帰り道の余韻がなんとも好きだ。
「今日もお疲れ様」
「あーあ、終わっちゃった」
「無事今日も何事も無く終わったな」
「ありがとね、ライブは出来るんだけど、なんだか寂しくてね、」
「その日のライブは、その日だけだもんな」
自販機で何かを買っているとしみつ。
ガコン、という音と共に飲み物が出てきた。
「ほら、喉乾いたろ」
「わ、ありがと!」
「俺も飲みたくなったから、餞別」
ゴギュッゴキュッと、余程喉か乾いていたのか物凄い勢いで飲み干すとしみつ。
負けずと私も一気飲みをした。
「うごえっ、おえっは、」
「無理すんなって」
「だ、だって、ごほ、おっ、」
「深呼吸深呼吸」
ライブも騒がしかったけど、こんなに騒がしい喉もたまには良いかな。
たまには、ね。
月が白々しくと、私達を照らしていた。
***
バンドグッズ欲しいもう無理辛い
僕は毒虫になった / Shibayu-→←朝が来ないまま息が出来たら / Tetsuya
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107(プロフ) - かのんさん» ありがとうございます!このコメントを見て自分ワクワクしてきました! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - 毎日の楽しみでこの作品読んでました!続編見て見たいです(^^) (2017年10月21日 23時) (レス) id: 4547495416 (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - Ma-chinさん» ありがとうございます!このコメントが私の励みになります! (2017年10月21日 23時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
Ma-chin(プロフ) - 大好きな小説です!!!続編見たいです! (2017年10月21日 22時) (レス) id: a22175d5dc (このIDを非表示/違反報告)
107(プロフ) - 如月梦【ゆめ】さん» ありがとありがとうございます!たまにうんちくぶっこみたくなります( ^)o(^ ) (2017年8月6日 21時) (レス) id: 1080c52a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:107 | 作成日時:2017年7月19日 22時