続 ページ10
「んで、勤務お休みのAさんはここで何の考え事してたんだ？」
そう言いながらガイア先輩は私の横に腰を下ろす。
「…ガイア先輩が仕事中なのに私によく絡みに来るのでサボってると思われてクビにならないかと心配してました」
そう呆れながら答えると、ガイア先輩は「ははっ」と肩を揺らして笑う。
「……俺がなんでお前の前によく現れるのか知ってるか？」
そうガイア先輩が急に落ち着いた口調で私に問いかける。
「し、知らないです」
そう素直に答えると
ガイア先輩は「そうか」と呟き、息を一息ついたかと思うと、いきなり顔をこちらに寄せてくる。
目いっぱいにガイア先輩が映りこみ、一瞬状況が理解できなかった。
反射的にぶつかると思い、
目をぎゅっと閉じる。
しかし数秒待ってもなんの感触もないため
恐る恐る目を開けると、
少し悲しそうな瞳をした先輩が私の鼻先で笑っていた。
うわ、綺麗な目だなぁ。
そう見惚れているとおでこの方に衝撃が走る。
ガイア先輩が私に頭突きをしたのだ。
「いってぇ！！？」
「ははっ、自分で答えを見つけるんだな」
そう言ってガイア先輩はイタズラ顔で笑う。
「…もうちょっと時間がかかると思います」
「あぁ、存分にかけてくれ。その間俺はAにヒントは出しておいてやる」
「…おでこまだ痛いです」
「………もしかしてやりすぎたか？」
「許しません」
「それは許して欲しい」
モンド城下町の角のベンチに座る少女に自身の思いが伝わるまで、騎士は果敢に挑み続ける。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 84人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：たろ | 作成日時：2022年9月22日 20時
