農家娘がお姫様になったようです。 (ページ27)

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第22話目的地決定！ページ27

ポッキー「…お前さん、何かやったクチか？」

皆が何故、どうしてと聞く前にポッキーさんが尋ねる。
少し困った様な表情を浮かべた後、エルメロさんは語りだした

エルメロ「…実は、前にクラウンで少々暴れてしまって目をつけられていまして」

バルト「盗み、誘拐が横行しているあの国で目を付けられるなんて相当じゃないですか」

あまりに容赦のない一言に思わず燐曇さんが肘打ちを与え、その光景にエルメロさんは微笑みを浮かべまた話し始める。

エルメロ「ふふっ…実は友人が謂れ無き罪で投獄されてしまい…それで…」

バルト「…領主の怨みを買いましたか」

エルメロ「えぇ、周りの者を巻き込んで一頻り暴れまわって国から追い出されまして…」

ポッキー「妥当じゃねぇか、このバァアカ！！」

自分の膝を強く叩き大声で叫ぶポッキーさんを始め、皆さん呆れた様な声、面白がる声が飛び交う
『なので…』と呟き

エルメロ「門より手前まではご案内致します、そこからは私は別の入り口から入るつもりです」

リンリィ「でもその姿だと少々目立つのでは…」

エルメロ「それなら大丈夫です」

服の胸元から小さな石を加工しただけのペンダントが出てくる

リンリィ「なるほど…変身石それなら十分身を隠せますね」

エルメロ「えぇ」

ヒデオ「なら、決まりだな！次に向かうとこ」

ぐるりとヒデオさんが皆さんを見渡して僕と目を合わせる

ポッキー「まぁ先に厄介なのから済ませておくか」

バルト「クラウンにある血石…実に興味深い」

リンリィ「まぁ、あまり時間もかけられないし」

燐曇「美味しいものあるといいなぁ」

抹茶「ふふ、初めての里帰りね龍尾」

龍尾「ふ…あぁ」

カラ「……」

初めて他の国に入るドキドキもあるけれど正直とても怖い、胸の前で手を組み少し俯いているとタナが私の手に乗ってくる

タナ「大丈夫、ここに居るやつは実力ある奴だよ、そう心配しなくていいよ」

ヒデオ「そうそう！それにクラウンの王様はウチの王様より優しいかもしれないしな！」

リンリィ「適当な事言わない！」

リンリィさんがヒデオさんの頭を強めに叩く

──そうだ、何も僕1人で行くわけじゃない、皆が居る、僕よりも何倍も強い

そう考えると、不思議と不安な気持ちは薄まっていった
そして、エルメロさんに向き合い

カラ「明日の朝、クラウンまで案内お願い致します！」

エルメロ「えぇ、もちろんですとも！」

こうして、僕らの最初の目的地はクラウンへと決まった