守護狼～GUARDIAN～ (ページ6)

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phase5 ページ6

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もの言わぬ青年
　
もの言えぬ少女

この出会いがどんな未来を引き寄せるのか？

すでにルプスの心が動き始めているのを、彼ら(・・)は気づいていた

*

「で、俺の許可なく勝手に依頼を受けてきたと？」

「ご冗談を。全て把握済みですよね？」

六本木の拠点に戻ってきてすぐ始まった小芝居

まだキズが癒えないハデスがニヤニヤしながら聞いてくる

それを涼しい顔でかわすキサラギ

マダムとのやりとりは全て

DPD(腕輪型情報端末機)や装束に仕込まれたセンサーで知っているはず

そしてAの存在も

「こちらが警護対象のお嬢ちゃん？

　男ばかりのこんなムサい場所へよう来てくれたなぁ」

歓迎ムードでAに話しかけるこちらは切り傷・アザだらけのゴエモン

その後ろには十数人の男達が物珍し気にAを見つめていた

「皆さん、かのマダムからのご依頼です

　大切な姪御さんを、我々でお預かりし警護致します

　もちろん金の獅子もご一緒です」

いやいや、ここは託児所や動物園じゃないぞ！！

DPD越しに聞こえた依頼内容に突っ込んでたのはエイノット

いやそんな小さい女の子じゃないでしょ、ホテルって言い直したら？

優しくエイノットに突っ込むジョー

なぜ、わざわざROWDY SHOGUNの拠点に？

マダムとキサラギの会話で次々明らかになる理由

「あのライオン異能持ちの俺らとマダムとお嬢さんにしか視えないらしいな」

ソコが重要だった

明日からしばらく海外出張に行かなければならないマダム

Aだけなら誰かをペントハウスに呼んで警護させればいい

しかし金の獅子が遺憾の意を示し酒の貯蔵庫に引き籠ってしまったのだ

『その期間の酒は？』というオーラ丸出しで

彼が酒にありつけるのはマダムがいるときだけ

メイドに催促しても相手には見えないので酒を貰えることはない

Aは未成年なので、酒瓶を持ってウロウロすることはご法度

「俺らが異能発動するときのオーラと獅子のオーラが似てるから視えるかも？

　って仮説を考えるマダムって、やっぱただモンじゃないさあ」

　

ミーヤとグスクが階段の踊り場からAと金の獅子を見下ろしながら言う

「なあ、あれな？」

「ん？」

グスクがミーヤに目配せする

視線の先には、獅子の頭をなでて側を離れないベイリー

そして

Aの手を持ったままエスコートを解かないルプス

*