守護狼～GUARDIAN～ (ページ34)

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phase33 ページ34

*

青年二人が落胆の色を隠せないでいた頃、

少女二人は…

「あれ？違う…。それじゃこうかな？」

鍵穴と戦っていた

閉じ込められた鳥籠には奇妙な形の鍵穴があった

鳥籠には扉がある

が、開閉のための蝶番が無いのだ

鳥籠にはめ込まれただけの意味をなさない代物

無駄に思えるこの鍵穴だが、形がマキナが持っている指輪にそっくりなのだ

しかも大きさも一致

ならば指輪を鍵穴に入れたらナニカ起こるかも？

ナニカが吉か凶かは不明だが、大人しく囚われている理由もないわけで

そうマキナが告げるとAが頷いた

とりあえず、マキナが指輪を鍵穴にはめてみる

カチン

一般的な開錠のように指輪を回そうとしたが回らない

それならと指輪を押してみるが動かない

次は、一度指輪を鍵穴から抜き、指輪の向きを変えて入れてみた

しかし回らないし動かない

「やっぱりダメかなあ」

マキナががくりと肩を落とすと、後ろで見守っていたAが肩を叩いてきた

なに？って振り向くと同時に仰天するマキナ

「えっ？Aちゃん!」

話せないAがマキナに思いを伝える方法

ここはDPDが起動しない異空間

となれば筆談になるのだが、

紙もペンも無い今、文字を書く手段は鳥籠の鋼の床を硬いもので傷つけること

ガリガリ

Aが鋼に文字を書くために使ったのは

「もうファイナルファクトをそんな使い方して…」

ブラックダイアモンドだった

*

Aの大胆な行動に呆れながらもマキナは感嘆した

書かれた内容がが的確だったからだ

「わかった。一緒にやってみよう!」

笑顔で語りかけると、笑顔が返ってきた

仮定した手順を試みる

確かに鍵穴は回った

しかし、鳥籠自体に変化はない

扉は開かず、出口も現れず…

自力で脱出できるかもという希望が失望に変わる

少女二人も落胆の色に染まりかけたとき、

痴レ者!!

金色の獅子の心話が脳内に響き、地鳴りが起こった

*