phase7 ページ8
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ROWDY SHOGUNの拠点でAが与えられた部屋は
日当たりの良い角部屋で、ルプスの私室の隣であった
もともと空き部屋だったが、エイノットがコピー技術を使ってリフォーム
数時間でいにしえのテーマパーク風ホテルに仕上げた
花柄の壁紙
天蓋付きベッド
フリルのカーテン
アンティーク調の白い家具などなど
もちろんバス・トイレ付き
男達と共有するのは抵抗があるだろうという配慮から(←言いだしっぺはキサラギ)
「 突貫工事にしてはいい出来ですよ 」
そう言ってニコニコAを案内したのはキューブ
彼が部屋のプロデュースをしたのだ
自分の彼女の部屋ならこんな感じがいいな♪という妄想を投影したらしい
「 あとコレをつけてもらえますか? 」
そう言って渡されたのはDPD(腕輪型情報端末機)
ここの男達が身につけているデザインとは違い、
バングル風でビーズやラインストーンが散りばめられている
女性が身に着けても違和感がないようにキューブがカスタマイズした
「 俺達と話したい時は、ここを押してください 」
押した途端、DPDの上にホログラムの小さな文字盤が水平に浮かぶ
キューブが数文字タップすると、Aの胸あたりに“ようこそ ”と垂直に表示され数秒後消えた
「 使い方は会話用タブレットと同じです
こっちの方が軽いし、Aさんの居場所を俺達
民間の通信機器だと、いつどこでハッキングされるかわからない
誘拐や暴漢への遭遇率を下げるために
エイノットの情報セキュリティーシステムが搭載されたDPDの方が何倍も安心だ
――― ありがとう ―――
ピコンと浮かび上がる文字
文字の後ろには笑顔のA
――― これから ―――
ピコン
――― よろしく ―――
ピコン
――― おねがいします ―――
Aの前に浮かんでは消える言葉を楽しそうに追う男達
警護のための必要な措置という側面もあるが、
Aを安心させたいという心配りが勝っての対応だろう
「 やるな、キューブ 」
弟のように可愛がっているキューブの背をルプスが軽くたたく
「 あとですね… 」
「 ? 」
とある機能をルプスに小声で教えるキューブ
「 それは自分で伝えてくださいね 」
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作者名:姫保 | 作成日時:2021年7月29日 10時