phase19 ページ20
*
「よお、怪盗さん」
「やあ、見張りを交代してまで僕と何を話したいんだい?」
マルドゥクがマリーンと見張りを替わりにやって来た
交代時間ではないし、交代要員でもない彼の登場にマリーンは疑問を抱く
が、チームの参謀の指示におとなしく従ったのだ
「うちのエースと大事なお嬢さんが消えた」
「…どういうことかな?」
「とぼけるなよ
アンタの知ってること教えてもらう。怪盗団の司令塔だろ?
ルプスとアンタの会話は俺もインカムで聞いていた
ベイリーに邪魔されて中途半端だったけどな 」
<ダケド君ハ知ッテイルノカナ?>
「これ見てみろよ」
マルドゥクはDPDで一階の様子を映しシャーロックに見せた
用心棒達→金色の獅子→金色の球体→ルプスとA
「へえ、金色のスノードームの中に二人がいるみたいだね」
「んなロマンティックな状態でないことくらい解かるだろ?」
「ふふ、そうだね」
「この映像だと二人はこのビルの外にいるはずだ
だがいない
じゃあ、二人はどこに?
ビルの外の風景
「君は
「…アンタもな」
司令塔と参謀の意見が一致したようだ
「時を超えたか」
「二人が羨ましいね、新しい世界線と経験値が増えていく」
「アンタならどうやって戻す?」
「…そうだね、飛び込むかな」
*
「タイムスリップ?」
「テレポートじゃなく?」
「ああ、あの二人の背景見てみ?」
しげしげと見つける14人の用心棒
「あっ」
キサラギが何かに気づいたようだ
「歩道も車道も随分傷んでますね」
「その景色見覚えあるだろ」
「…五年前で、すか?」
「そう、あの大嵐が去った後ぐらいだわ」
マルドゥクが金ちゃんに近付き耳元で言った
「おい獅子、その球体もそっとデカくなるか?」
「マルドゥクさん、大きくしてどうすんですか?」
金ちゃんの側で球体の映像を録画しているエイノットが聞く
新しい情報を逃がさないように
「その球体は多分、アッチとコッチを繋いでるはずだ
だから人が通れるくらい大きくしたら、コッチから迎えに行けるだろ?」
地下で聞いたシャーロックの仮定を説明する
おお!!とどよめきが上がる中
金色の球体がしぼんでしまった
そして
ぽてんと金ちゃんがうずくまる
「寝てる?」
_(ˇωˇ」∠)↷スヤァ…
電池切れらしい
*
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作者名:姫保 | 作成日時:2021年7月29日 10時