僕の後輩は鬱陶しい【kwmr】 (ページ15)

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画面の中の私たちページ15

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「皆さん、普通のクイズには飽きましたよね？」

　今ではすっかり前振りの常套句となりつつある台詞。
　それをカメラの向こう側に立つ福良さんが言葉にすると、テンポ良く「いや毎回言うけど全然飽きてない！寧ろまだまだ奥深い！！」という伊沢さんのツッコミが入った。

　今日の撮影は先輩と伊沢さんと私の三人で、真ん中には勿論伊沢さんを置いて、その両端が私と先輩だった。
　本当は伊沢さんをはっ倒して先輩の隣を陣取りたいところだが、今は撮影中なので我慢する。

「そんな皆さんの為に今日は特別な問題を用意しました」

　出た出た。福良さんの都合の良い聴覚。

「ねぇ、あの人もしかして別次元に居るんじゃない？」

　そんな風に会話を投げると、すぐに

「あいつもお前にだけは言われたくないと思うよ、立華」

　と返してくれる先輩。

　先輩はいつだって、どんなボケでも、ここに何人居ようとも、一番に私のボケを拾ってくれる。
　まぁ、私からしたら、普段の先輩となんら変わりないのだが。

「誰が難聴系美少女だよ！！！そんな褒めんなって！！！」
「言ってねぇよ。早急に幼稚園に帰れ」
「は？ふざけないでください。私は保育園です」
「ふざけてんのはお前だよ」
「ねぇ間に挟まれてる俺の気持ち考えたことある？」
「あれ、居たんですか社長」
「さっきまで認識してただろうが！！」

　伊沢さんの鋭いツッコミのお陰で、まだ本編も始まっていないのに大きな笑いが起こった。
　四人じゃ絶対に出ないくらいの、大きな笑い。

　視聴者さんには見えていないかもしれないが、カメラの向こうには意外に人がいる。
　元々テレビ関係の職業についていた人や、カメラマンの経験がある人、ディレクター経験のある人……そんな撮影のベテランの方々が、私達をそっと見守ってくれているのだ。

　まぁ、今日はそんなに重要な撮影ではないので、居るのは照明を調節する方と、カメラの調節をする方、そして伊沢さんが大好きなしずくちゃん先輩だけだが。
　なんでも、伊沢さんが「見てみない？！見てみない？！？」としつこく詰め寄ったんだと。

　うざい男は嫌われますよ社長。

「今のとこ、しずくちゃんの笑い声も入っちゃったから、カットしよっか」
「あ、すみません…… 」
「福良さん！！そのファイル俺に頂戴！！！！！」
「社長、セクハラで訴えて良いですか」

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