=16= ページ16
.
今日はテテくんも眠そうだったし、流石に駅前で分かれた。
私はずっと考えていた。
何故こんなにも一度会ったきりの人の事が浮かぶのか。
何故こんなにもモヤモヤしているのか。
...本人に会えたら、この気持ちの正体が分かるのだろうか。
私は一度家に帰り、少し肌寒くなってきたので
上着を羽織って家を飛び出した。
彼の連絡先なんてものは知らない。
だから会える保証なんてない。
ただ、1つの可能性に縋るしかなかった。
私は夢中で走った。
やっと見えてきた、ムンヒョンくんと初めて会った場所。
...駅前の、スーパー。
中に入って探そうとしたが、
向かいから歩いてくる人がなんとなく目に付いた。
だんだんと近付いてくる人影。
MH「...あれ...A、またスーパー来てたの？」
それは、私の目的の人。
「ううん。...何か、ムンヒョンくんに会いたくて、」
私が素直にそう伝えると、驚いたように目を見開く彼。
MH「...何かあったの？」
「何も、ないけど...」
じっと私を見つめられて、うまく話せなくなる。
さっきまではただ会いたかっただけだけど、
こうして冷静に考えてみればおかしな話だ。
...そう、私達はまだ1度しか会っていない。
そんな相手に会いたくなった、なんて言われて
驚かない人なんていないだろう。
MH「...少し、歩こうか？」
後悔の波が私を押し寄せている最中、
ムンヒョンくんが口を開いた。
「...いいの？」
MH「なんでダメなわけ？」
「や、だって、いきなりだし...、」
MH「どうせ俺も暇だし。...あ、でも買い物だけしてもいい？」
「っ、うん！大丈夫！むしろ一緒に行く！」
MH「...そこは勝手にして」
ムンヒョンくんはすぐに中に入ってしまったが、
若干見えた彼の耳がほんのり赤くなっているのを
私は見逃さなかった。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 487人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゆ(プロフ) - きゅーりさん» きゅーりさんんんん泣 ありがとうございますTT泣 (2017年2月1日 21時) (
レス) id: 4e1d9a13ad (このIDを非表示/違反報告)
きゅーり(プロフ) - スター作者おめでとうございます！ (2017年1月31日 22時) (レス) id: f9cfe048a6 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - モエリさん» ご指摘ありがとうございましたTT 気が付かずにずっとこのまま投稿し続けるところでした... ありがとうございます、頑張ります^-^* (2017年1月20日 8時) (レス) id: 4e1d9a13ad (このIDを非表示/違反報告)
モエリ(プロフ) - 編集して下さりありがとございます！！引き続き更新を楽しみにしてます(^^) (2017年1月20日 7時) (レス) id: e215836dd9 (このIDを非表示/違反報告)
しゆ(プロフ) - モエリさん» コメントありがとうございます!! すみません、どこの部分ですか!?TT (2017年1月20日 0時) (レス) id: 4e1d9a13ad (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しゆ
| 作成日時：2017年1月18日 21時
