リーダーの時間(3) ページ9
来たる体育祭当日。
皆はそれぞれの種目に備えていた。
徒競走で一番に駆け抜ける木村くんを殺せんせーは馬鹿みたいに連写していた。
「飲み物よ。パンは」
名言を残しながらパン食い競争を独走したすみれちゃん。
「おいっ！あのチビ異様に速いぞ！」
「体の抵抗がないからだ！」
障害物競走で体の小ささを活かすカエデちゃん。
各々が暗殺で培った基礎を用い、個性を合わせて勝ち抜いていく。
そして、次は二人三脚。私達のクラスからは、前原くんひなたちゃんペア。そして
「ははっ、前原のやつ岡野さんに嫌われてる」
私とカルマの2組のペアが出場した。
いや、正直気まずい。私達は結構喧嘩も多いが、今回は特にカルマを怒らせている。2日に1回やる通話も、私からかけないとかかってこないし、かと言って何も連絡しないとLINEが入る。
『カ、カルマ…』
「んー？なに？」
『そ…の…私達が1位になったら…今週末家に泊まりにきて』
その言葉の意味はもちろん、カルマも理解しているだろう。
"自分から愛を提示しろ"その返答は、恋愛初心者のちっぽけな脳みそじゃそれ以外考えられなかった。
「なるほどねぇ。いいよ、絶対行く。じゃ1番なんないとね」
パンっとスタートの合図が放たれれば、私を引っ張って走るカルマ。大丈夫、体力が無いだけでスピードはあるから着いていける。
本校舎の生徒のブーイングが聞こえるも、ゴールテープを切ったのは紛れもなく私達だった。
『っ…』
その中で学秀と目が合う。きっと私の人生最大のモテ期って今なんだろうな。
カルマも学秀に気付いたのか、わざとらしく私の手をとり、堂々とキスをする。
「シャッターチャンス！シャッターチャンス！シャッターチャンス！」
『っ！？ちょっ！皆見てる！！』
これにはE組の生徒も皆、歓声をあげた。そして殺せんせーの連写の手も止まらなかったので殺意が深まった。
と、学秀の方を見ると怒ってはいるものの少し悲しそうな目。
少し胸が痛むが、私の本命は学秀じゃない。カルマなんだ。
カルマに寄りかかると驚いて私を見てくる。そして、学秀の目線は下に向いた。
「どうしたの？A」
『怒りを身体表現しています』
「寄りかかるだけが？」
『…うん』
くすっと笑うと、機嫌が治ったのか嬉しそうに頭を撫でてくる。
「浅野くんには悪いけど、このまま俺らが勝っちゃうから」
そう言ってカルマは目を細めて笑った。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
