リーダーの時間(2) ページ8
「お前らは先に帰れ。僕はAと少し話をする」
『うん、皆帰ってていいよ。ちょっと用事できたわ』
そう言って、それぞれの生徒が帰路につく中全員が思っていた。"これは絶対に修羅場になる"と。
皆の背中が小さくなっていくのを確認して、学秀は口を開く。
「店の前ではなんだし、帰りながら話をしよう。」
黒い笑顔を浮かべる学秀は、そう言うと私の家の方向に歩き出した。
家には上がっていないが、送ってもらったことは何度もある。
「それで、赤羽とは随分ラブラブとしてるようだな」
『ねえ、私全然気付いてないんだけど、首には何がついてるの』
確かに自分では気付かなかったが、なんとなくでも言われれば分かる。それは恐らく…
「そこだと見えづらいか…耳の後ろ側にキスマークがついてるんだ」
あぁ、やっぱり。
隣を歩いていた学秀は私の一歩前に立ち、私に向き合う。
すっと髪を避けながら私の首元に手を当てれば、驚いて小さく声が漏れる。
「…首が敏感なのか？」
『ちがっ、ただ驚いただけ…』
そう言って目線をそらすと、ここぞとばかりに顔を近付けて目を合わせようとしてくる。
『ね、学秀…近いっ…て…』
「…磯貝くんにもう1つ条件をメールで送る」
スッと離れて文字を打ち込み始める学秀。
打ち終わると画面を見せつけてきた。
「今僕は赤羽が許せない。僕のAに何をしたんだ、と。
だからこうしよう。もし
この間までは私の意思を尊重してE組にいていい、と言っていた彼だが、今の彼の目は嫉妬の色に染まっている。
送信されたメールによって、私も賭けの対象品になってしまった。
*
後日、それを伝えられたE組男子達は磯貝くんを守ることはもちろん私のことも守りたいと意思を見せてくれた。
学秀が提案したのは、"棒倒し"だった。
それぞれのチームが持つ棒を倒した方が勝ちというシンプルな種目だ。
「あれほど言ったよね？浅野くん信用しちゃいけないって」
『っ…ごめんなさい』
「まだ分かってないの？それとも、もっといろんなところにつけないと分かんない？」
電話越しに聞こえるカルマの声は不機嫌そうで、少し怖かった。
「まぁいいよ。俺らが負けることはないし。
それと、俺らが勝ったらAから俺に愛を提示すること。分かった？」
『それって…』
「自分で考えなよ。じゃあね」
そう言って電話は切れた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
