2周目の時間(4) ページ41
「お母さん、渚くんの人生は渚くんのものだ。あなたのコンプレックスを隠すための道具じゃない。この際、担任としてはっきり申します。
渚くんが望まぬかぎり、E組から出る事は認めません」
ふざけた行動とは一変。殺せんせーは全員が思っていたであろう言葉を投げかける。
すると__
「なんなのよあんた！教師のくせに、保護者に対してなんて言いぐさなの！馬鹿にすんじゃないわ！人の教育方針にケチつけられるほど、あんたが偉いの！？」
その剣幕に、窓越しに見ている私達も圧倒されてしまう。
「渚！最近妙に逆らうと思ったらこのヅラの担任にたぶらかされていたのね！？見てなさい！すぐにあんたの目覚まさせてやるから！」
潮田くんのお母さんはそう言うと、教室からドタバタと出て行った。
「殺せんせー…」
「つい強めに言ってしまいました。
…しかし、もっとも大切なのは、まず君自身が君の意志をはっきり言う事ですよ」
「でも今は……一人じゃ何もできないうちは母さんの2周目でいたほうが…」
「何もできないわけがない。殺す気があれば何でもできる。君の人生の一周目はこの教室から始まっているんです」
そう諭す殺せんせーの優しい言葉を、潮田くんはまっすぐに見つめた。
*
次の日、私はたまたま早起きをしたので、ここ1ヶ月で撮ったチェキを整理しようと、チェキのファイルを持って早めに学校に行った。
朝特有の冷たい、気持ちの良い空気を吸いながら、教室までの坂を登る。
ガラリと教室のドアを開けると、そこには誰もいることはなく、自分の席に着く。
『進路…かぁ…早いよ…』
自分のやりたいこともなく、誰か逆らう相手がいるわけでもなく…ただただ将来のビジョンが私にはない。
それよりも…
『
カタッと音を立てて椅子を引いて立ち上がり、おもむろにカルマの机を撫でる。
『卒業…したくないなぁ…』
ポツリと言い放ち、またも自分の席に座り直す。
今が自分の人生の1周目か。
なら、2周目も、この教室で。楽しく過ごしたいな。
時間が経つと、少しずつ教室に人が増えてくる。
「雪目さん！おはよう！」
『潮田くん、おはよう！』
潮田くんは、つきものが取れたかのようにすっきりとした顔をしていた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
