2周目の時間(3) ページ40
「渚の母ちゃんかー…きつい人だよな」
「殺せんせーは任せておけって言うんだけど…」
次の日、登校するなり潮田くんの顔はくもっていた。
どうやら、お母さんに本校舎に戻れと半強制的に言われたらしい。
しかも、事情を察するにかなりの毒親。
そんなお母さんが今日、潮田くんがE組を出るように説得するために三者面談で来るらしい。
そして、そんな保護者の相手をするのは殺せんせー。
名目上担任である烏間先生は現在出張中で不在。ビッチ先生が代わるにも、"烏間惟臣"の名とはかけ離れた顔、そして性別。
不安が残るなか、潮田くんのお母さんが学校へ到着。
私達は、教室の外で面談の様子をうかがっていた。
「初めまして、私、潮田渚の母でございます。」
「まあ、どうぞお掛けください、渚くんも。こんな山奥まで大変でしたでしょう。ささっ！ジュースでも！」
潮田くんのお母さんは、髪を短く切り揃えた美人さんだった。
声色も凛として、素敵な方に見えるけど…
「それにしてもお母様、お綺麗でいらっしゃる。渚くんも似たんでしょうかねぇ。」
殺せんせーの一言に、潮田くんのお母さんの目の色は変わる。
「この子ね…女の子であれば私の理想に育てあげたのに。」
「貴方の理想？」
塩田くんのお母さんは、そう言うと膝に置いていた手を持ち上げ、潮田くんのツインテールを解く。
「ええ、このくらいの歳の女の子だったら長髪が一番似合うんですよ。
私なんか、子供の頃は短髪しか許されなくて…三年生になって勝手にまとめた時は怒りましたが、これはこれで似合ってるので、見逃してやっています。」
お母さんの心の強い言葉とは裏腹に、潮田くんの顔は強張っていく。
それはお構い無しに、お母さんは言葉を続ける。
「私の経験から申し上げますに、この歳で挫折するわけにはいきませんの。椚ヶ丘高校は蛍雪合格者も都内有数ですし、中学までで放り出されたら、大学も就職も悪影響ですわ。
ですからどうか…この子がE組を出られるよう、お力添えを」
「渚くんとはちゃんと話し合いを？」
殺せんせーがそう聞くと、
「この子はまだ何も分かってないんです。失敗を経験している親が、道を作ってやるのが当然でしょう。」
「母さん…僕は＿＿＿」
「渚は少し黙ってましょうね。」
「…なるほど。何故、渚くんが今の彼になったのか、理解できました
…そう、私烏間惟臣はヅラなんです！」
殺せんせーはそう言うと、カツラを引きちぎった。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
