2周目の時間(2) ページ39
そして、書いた紙を元に、進路相談が始まる。
カルマが行って、寺坂くん。次に莉桜ちゃんが行って…
「次A呼んでこいだってー」
『りょうかーい』
職員室に向かう。
*
「雪目さんは、志望校はここに残るんですね」
『うん。別にどこの高校行ったって一緒だし、こだわり無いからね。一応、箔のついたここにいればツバサも安心かなって』
椅子に座り、殺せんせーと向き合いながら話す。
殺せんせーの表情は、相変わらず穏やかだ。
「この希望職種については…？」
『そのまんまだよ。前にも言ったけど、ツバサに恩返しがしたい。そのために金持ちになって…できれば、ある程度の地位と権力を手に入れたい…かな』
「カルマくんの希望職種はご存知ですか？」
もちろん知っている。時々話すもの。最初に聞いたときは驚いたけどね。
『官僚でしょ？』
「ええそうです。どうです？この際、カルマくんといっしょに政治界を目指してみるのは。
椚ヶ丘のビッグカップルとして…いや、政界のビッグ夫婦として、名を馳せてみませんか？」
殺せんせーの予想外の提案にぶっと吹き出す。
そして笑い声をあげると、不思議そうな顔で見てくる。
おかしいことを言ってるのは先生なのに。
『あははっ、ごめんごめん！
それは100パーないよ。この国を変えたい気持ちなんて無いし、私の性分は引っ張るよりも受け身でいる方が死ぬほど楽。 政界に興味も無いし、カルマみたいになんてなれないしなりたくない』
「そうですか…雪目さんは、意外と向いてると思うんですけどね。
まあ、時間はまだあります。中学生の内に決められずとも、高校で決められればいい。
残りの時間は、自分の気持ちに合う分野を探して、興味を深めて、視野を広げてみましょう。焦ることはありません」
『はい。そうします』
意外にもあっさりとした返答に驚くも、ここで無理強いしないのが先生らしいや、なんて思う。
次は潮田くんを呼んでほしいと言われ、教室に戻る。
「ヌルフフフ…夫婦については否定しないんですね」
殺せんせーがピンク色になっていたことは、知る由もなかった。
『潮田くん、次だって』
「雪目さん…分かった。行ってくるよ」
そう言って、潮田くんは教室を出る。
鳩が豆鉄砲食らったかのような顔をして、潮田くんが去った後を見つめるカエデちゃんとカルマに声をかける。
『どうしたの？』
「いや…なんでも…」
『ふーん、変なの』
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
