死神の時間・後編(11) ページ37
「いいから普段通り、来いよ学校。何日もバックレてねーでよ」
その優しい言葉に、動揺を見せるビッチ先生。
そして、それを皮切りに次々と生徒が口を開く。
「続き、気になってたんだよね。アラブの王族たぶらかして、戦争寸前だった話！」
「来ないなら、先生に借りてた花男のフランス語版、借りパクしちゃうよ？」
「…殺す直前までいったのよ、アンタたちのこと」
「何か問題でも？裏切ったりやばい事したり…それでこそのビッチじゃないか」
「たかがビッチと学校生活楽しめないで、うちら何のために殺し屋兼中学生やってんのよ！」
ビッチ先生を生徒の優しさが包む。
「そういうことだ」
一言放ち、ビッチ先生に近付く烏間先生の手元には一輪の赤い薔薇。
「この花は生徒たちの借りものじゃない。自分の意志で敵を倒して得たものだ。誕生日はそれならいいか？」
「………はい」
しばしの沈黙の後に、頬を染めたビッチ先生の優しい返事。
めちゃくちゃ乙女じゃん。
クラス中が盛り上がるなか、殺せんせーの声が響く。
「烏間先生。いやらしい展開に入る前に、一言あります」
「断じて入らんが、言ってみろ」
「今後、このような危険に生徒たちを決して巻き込みたくない。
安心して殺し殺されることが出来る環境づくりを、あなた方に強く要求します」
「分かっている」
*
「A」
中学生とは思えない修羅を抜け、帰り足になる皆の中、カルマが私を呼び止める。
『…ごめん』
なんのことだか、自分でももう分かってる。
こんな状況になったんだ。殺せんせーが何かしら皆に告げていただろう。
私達2人の会話に交じる者はいないものの、皆の帰り足が止まった。
「ほんとに分かってるわけ？どんだけ俺らが心配したか分かる？」
『もちろんだよ。私も同じ立場だったら、死ぬほど心配してる』
私に近づくカルマはグッと私を引き寄せ、頭を撫でながら抱きしめてくる。
「これからはもう隠し事は無しね。
俺がAのこと嫌いになるわけないし、Aが何かを背負ってるなら俺にも背負わせてよ。
Aのことが本気で好きなんだよ。2人で頑張ろうよ」
カルマのその優しい声色と、温かい体温に張り詰めていた気持ちが一気に緩んでいくのが分かる。
『うん…』
自分の中で、カルマとの関係がいい方向に変わっていくのを感じた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
