死神の時間・後編(8) ページ34
『っ…』
死神の言葉に反応もできず、ただ脳内がおかされていく。
"吸いたい""欲しい"その言葉だけが脳を埋め尽くす。
「はははっ！余裕もなさそうだから、話そうか。
君の目の前には薬が3本ある。
1つは、君に残る依存性が無くなる薬。
ただし、残りの2本は依存性が強くなる…いや、今もなおこっそり一部の人間に取引されている、ゼシウスを液状化したものだ」
『っ！それって…！』
回らない頭で物事を整理する
「そうだね。君のその依存性だ。間違えてゼシウスを打ち込めば、今日中にはもう君は…
ただね、当たりを引けば、君はもう晴れてその呪縛から開放される。そして、恋愛ごっこをしていた彼との付き合いは透明度が増すよね。
もちろん、1本も打たない手もあるけど…どうかな？君の好きなギャンブルだ」
『…』
情けない。どこからか勝手に漏れた実情を知られ、それを出汁に弄ばれる。
挙句、カルマのことも引き合いに出して、こいつは一体どこまで私のことを…
立ち尽くす私に、死神はまた口を開く。
「そこにある鍵を差し込めば、そのケースは開く。
でも、1回鍵を回しきれば鍵は折れてもう使えない。いわば、チャンスは一度きりだ。
君が満足するようにすればいい。用が済んだなら奥にある扉に進みなよ。」
悔しい。
歯を噛み締めて、足を引きずりながらケースの前に立つ。
余裕のない姿に、死神の笑い声が聞こえるもお構いなしだ。
『こんなん…正常なときに見ても…わっかんないわ…っ！』
朦朧とする視界の中、何も考えられるわけもなく、適当に鍵を取る。
『っ…』
グラリと視界が揺れて、私の目の前はブラックアウトした。
*
その頃E組は、首についた爆弾を解除し、肩車をして壁と同化していた。
イリーナが投げつけた首輪を堀部が分析し、殺せんせーに外してもらう。
そして手錠を見えない場所でこっそり解除し、最後に岡島のカメラ分析、菅谷のスプレーで着色。
これはすべて三村が考案したものだった。
そんな変装するE組の傍ら、大きく水が跳ねたような音が響く。
「？今の音なに？」
目線を向けた先には、烏間と死神がいた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
