死神の時間・後編(7) ページ33
「烏間先生っ！大丈夫ですかっ！？」
殺せんせーの言葉が檻の中に響く。
「俺は無事だが、イリーナは瓦礫の下だ。
…だが、かまっている暇はない。死神を追う」
烏間の冷徹なその声が、トランシーバーから聞こえる。
その言葉に1人の生徒の声が響く。
「だめ！！！どうして助けないの？烏間先生！！」
倉橋が殺せんせーの持っているトランシーバーに近寄り、悲鳴にも近い叫び声をあげた。
「倉橋……イリーナは彼女なりに結果を求めて死神と組んだ。一人前のプロならば、自己責任だ」
「プロだとかどうでもいいよ！15の私がなんだけど……ビッチ先生まだ21だよ！
多分、安心のない環境の中で育ったから。ビッチ先生はさ、大人になる途中で大人のカケラをいくつか拾い忘れたんだよ。
だから、助けてあげて。烏間先生」
倉橋の言葉に、言葉を失う烏間。次いで、矢田がトランシーバーに向けて口を開く。
「私達生徒が間違えたときも許してくれるように」
*
私は、暗い道を歩いていた。
何歩進んだのか、ここはどこなのか、どれくらいたったのか分からない…。
ドォンっと大きい爆発音が聞こえて、道が揺れる。
ふらつく足取りを、壁に手をついて立て直す。
『っ…！
はぁっ…はぁっ…こんなっときにっ…』
私は00チルドレン。最高依存度を持つ両親の子供だ。
もちろん、そんな子供は健やかに育つわけもなく。
『最近…落ち着いてたと思ったのに…っ、タバコ…吸いたい』
私がタバコを吸っているのは、両親からの受動喫煙による薬の軽度の依存をごまかすためだ。
ツバサもそれを知っているから、何も咎めずにタバコを渡してくれた。
『…くっそ…』
依存性による脳内物質で、揺れる視界とふらつく足元。
壁を伝い、ようやく突き当たりにある扉にぶつかる。
ガチャリと重い扉を開けば、何やら注射が3本ケースに入れて、台の上に置かれている。
傍らには1本の鍵。
「雪目さん。たどり着いたみたいだね」
部屋の角に設置されているスピーカーから声が響く。
今日はなぜだかおかしい。
依存性による発作が、いつもより強いのだ。あまりにも。
息が上がり、目の前がぼやけ、話どころではなくなる。
「はははっ、僕が仕込んだ薬は効いてきたかな…？」
『くす…り…？』
「君が檻に入る前。僕とキスをしたよね。あのとき、君に依存性が高まる薬を仕込んだんだ。
いや傑作だね。そんなに余裕のない顔が見られるなんて」
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
