死神の時間・後編(6) ページ32
「…Aの背中、薔薇が彫られてた」
「！？それって…」
赤羽の言葉にいち早く反応した茅野は、殺せんせーに視線を移した。
他の生徒も恐る恐る殺せんせーを見た。
「もしそれが、間違いでないのなら、雪目さんは恐らくレベル50の薬を吸っていた保護者のもとで育ち、そして売られる寸前だった…ということですね」
「ひっ」
奥田が小さく悲鳴を上げると同時に、全員がその恐ろしさに身を強張らせた。
「このゼシウス、受動喫煙もしてしまうとは言いましたが、これはタバコと違って受動喫煙の方は直接吸うよりかは威力は何倍もダウンします…
ですが、常日頃から吸い続けていたのなら…塵も積もれば山となる。当人ほどではないですが、軽い依存性や神経の麻痺は見られてもおかしくはないですね」
「…Aはその受動喫煙の効力に、今でも苦しんでるってこと？」
「そうは言いません。ですが、そういうケースもあるということです。
…片岡さんがニュースで見たのは、きっと00チルドレンの売買が世間に出回って、大元の密売人が捕まったというニュースでしょう」
「そうかも。違法ドラッグがどうとか言ってた気がするわ」
「これが私が知っている、00チルドレンの全てです。
死神やイリーナ先生がこの出来事を知っているのも、裏社会を生きてきた彼らなら当然でしょう。」
その言葉に全員が黙り込み、やるせない視線を下に向ける。
「…でも、だからといってAちゃんの良さに影響はないわよね」
重たい沈黙を割くように、神埼の透き通った声が響いた。
「いつも助けられていたわ、苦しいはずなのにいつも笑顔で接してくれたわ。
一緒に同じ教室で過ごしてきたもの。そんな悲しい過去を聞いて、誰一人として軽蔑なんてしないわ」
「神崎さん…そうだよ！俺だって雪目には助けられてきたさ！球技大会のとき、あいつは外野から精一杯応援してくれた」
神崎、杉野…その2人に続いて皆が雪目の味方をする。
その様子を見ていた殺せんせーは、安堵の表情を浮かべる。
「でも、先生が知っているのはそのことだけです。
本人から真実は聞けていないので、皆さんも彼女への接し方や伝え方には十分に気を付けてくださいね。
特にカルマくん」
「…わかってるよ」
殺せんせーの顔が朗らかになった途端に、檻全体が爆発音と共に揺れる。
「烏間先生！…烏間先生！」
「なんだ」
「やっと繫がった…」
トランシーバーを通じて、烏間の声が全員に聞こえた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
