死神の時間・後編(5) ページ31
「まず、君達の気になっている00チルドレンという言葉ですが、これは裏社会で取引されていたドラッグの"ゼシウス"という薬を吸っていた保護者の子供の総称です」
「薬…？」
「そうです。この薬には、レベルがあります。
1から50までの段階が。特にマックスの50ともなれぱ、毎時間吸っていなければ死んでしまうという位、高い依存性や神経を麻痺させる効力があります」
この時点で、全員が雪目はちゃんとした大人の下で育ってこなかったを理解した。
たばこやお酒、賭博のことも、全て合点がいったであろう。
「そして、一番嫌なのはこのゼシウスはタバコ式で吸引すること。
つまり、締め切った部屋の中で吸えば、タバコと同じように受動喫煙してしまう。」
「それってつまり、Aも少なからずはドラッグを吸ってたってこと？」
赤羽の心配そうな目が殺せんせーに向く。
「それは推測の域を出ないので、私はなんとも言えません。ですが、可能性を否定することもできません」
「そんな…」
矢田が小さく声を漏らす。
皆が雪目のことを思い出していた。
毎日同じ教室で過ごしている仲間が、小さい頃から意思に反してドラッグを吸わされていたとしたら…
どれだけ後ろめたい気持ちで毎日を過ごしていただろう、と。
「そして、そんなドラッグを吸っていた親がいる環境の中を育ってきた子、00チルドレンを売り払う事件が裏社会では頻繁に起きていました」
「「「え！？」」」
「皆さんは、平和な環境で生きてきたからこそ、驚きますよね。そんな事件もあるんです。
このゼシウス、ドラッグの中でも非常に高い値が張られていました。
それを払うには、普通の働き方では絶対に稼げない額です。そこで、売る側が提示したこと、それは"借金を子供に払わせること"。それ即ち、"売った子供が働き続ければ、自分達は一生ドラッグを無料で吸える"ということでした」
その言葉に、全員が息を飲み憤怒し悲しんでいた。
「この条件と共に、何名もの子供が売られました。
はたまたこれを満たすために、子供を作り始めた非人道的な人も出たくらいです。
そして、00チルドレンであることを証明するために、子供たちは背中に"花"を彫られました」
この言葉に、赤羽が真っ先に反応し声を上げる。
「それって…薔薇？」
「…薔薇はレベル50を吸っていた証です。
レベルによって彫られる花は変わっています。10ならチューリップを、25なら菊を…と」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
