29*死神の時間・後編 ページ27
「参ったな。予定がかなり狂ってしまった」
モニターに映るは烏間先生と犬に変装した殺せんせー。
2人を見た瞬間に、安堵して顔色の明るくなるクラスメイト。
「仕方ない。プラン16だ」
「ふふっ、私の出番ね」
不敵に笑うビッチ先生は、死神の後を追いかけて行った。
*
「A」
『…』
「A」
『…』
2人が出て行った後、それなりに皆は普段通りのテンションまで戻った。
私1人を除いて。
もちろん、そんな私を気遣ってか、はたまた接し方が分からないだけなのか皆は私に触れないようにしていた。
そんな中、カルマが私の後ろに座り私の名前を呼ぶ。
も、全て無視するとムッとしたのか耳元で挑発をしてくる。
「そんなに無視するなら、Aの夜の様子皆に言っちゃおうかなぁ〜？言ってもいいのかなぁ〜？」
『…』
いつもだったら、顔を赤くして怒るであろうそのワード。
でも、今の私にはそんなのは一切通用しなかった。
「…あのさぁ、何考えてるのか分かんないけどさ。
俺はAと出会えて、付き合ってて良かったと思うし、どんな環境で育ってこようとどうでもいいよ。
俺が好きなAは、やっぱりこのAしかいないよ」
違う…違うのカルマ。
私は…私は…まだ…。
「あいつは、不幸の始まりだ、なんて言ってたけどそうは思わない。
俺はAといれて、本当に幸せだよ」
『っ…』
軽く頬にキスを落とすカルマに、目頭が熱くなる。
違うんだよ。カルマ。まだ…まだ…
『私にはっ…幸せになる資格も権利もないんだよ…』
「え…？」
か細い声で口を開いた私に再度視線を落とすカルマ。
すると、大きな音を立てて檻の中央に殺せんせーが落ちてくる。
「っ！？殺せんせー！？」
「先生大丈夫！？」
それを心配するクラスメイト。
「皆さん、怪我はないですか？」
そして、真っ先に生徒を心配する先生。
なんていい関係なんだろうか。
今の私には到底眩しいや。
「おや、雪目さんそんなところでどうしたんですか？
…君のことだ。何か無茶でもやらかして_」
「あー、気にしないで。A。死神の強さに圧倒されていじけてるだけだから。
他の皆も、心配してくれてると思うけど本人もそう言ってるから、気にしないでよ」
駆け寄ろうとする殺せんせーと、視線を向けてくるクラスメイトの間に立ち、そう弁解するカルマ。
心強いな。本当に。
だからこそ、本当にごめんね。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
