死神の時間・前編(7) ページ26
『っ！？離して…っ…！？』
抵抗しようと手を伸ばすのも束の間、静かな空間に響いたリップ音。
今、何が起きているのか。頭をフル回転させるも、どうもついていかない。
『っ！？…ふぅっ…ぁっ』
「っ！？」
その音は徐々に水気を含み、口を離した瞬間に私と死神の間には細い糸が伝う。
足に力が入らず、崩れ落ちそうになるも私は死神に抱きかかえられそれをすることも許されなかった。
その様子を見ていたカルマは、今までに無いくらい怒りと殺気に満ちていた。
「お前…何してんだよ！！Aから離れろ！！」
そう言って、取り乱すカルマは死神に殴りかかろうと走って近寄ってくる。
が、私を小脇に抱え、それをいとも簡単に首筋に手刀を落とし動きを止める。
すると、カルマはふらついて崩れ落ちる。
『っ…カルマぁ…っ』
その目は今にも意識を手放しそうな目をしていた。
「君に、1つ忠告をしておこう。
00チルドレンと関わりを持つことは、不幸の始まりだ」
死神はその言葉と同時に、私の服を捲り背中の傷をカルマに見せる。
「こんなに汚い背中を見ればどんな環境にいたか、どれだけまともじゃないか…君も理解できるだろう？」
「っ、べつに…？もう何回もAの体なんて…見てるし、どんな育ちでも…AはAだよ。
俺が好きなのは…00チルドレン？…って呼ばれてる、そのA…だよ」
そう言い残すと、意識が飛んだのか上半身から崩れ落ちるカルマ。
『っ！カルマ！！あんた、いい加減離しなさいよ！！』
「彼は実に誠実でいい子だね。
でも、君は薄々気付いてるんじゃないかな？
00チルドレンで、あんな両親から生まれてきた自分が、本当は幸せになんかなっちゃいけないって…」
『っ…そんな…こと…』
「それに、分かってるんだろ？君はまだ_____」
『っ！！』
*
ビッチ先生を救出に出向いた班も、死神を迎えあった班も全員が捕まり、私達は檻に逆戻りとなった。
最初とは違い、全員が腕を後ろに拘束され自由を奪われていた。
全員の気分が沈み、下を向いている中私はただ1人隅の方に倒れ込み呆然としていた。
檻の外には、拘束を解かれて死神の隣に立っているビッチ先生がいた。
…なるほど。全部演技だったわけだ。
「…烏間？」
「なんでここが…」
少しすると、状況の変化があったようだ。
「タコが言った。生徒に越せない壁があったのなら、その時は先生の出番ですと」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
