死神の時間・前編(5) ページ24
約束の18時。私達は地図に示されていた場所に来ていた。
すみれちゃんが、律ちゃんに"12時を過ぎても戻らなければ、殺せんせーに事情を話して"と約束をし、私達はその中に突入する。
ふと、右手が掴まれた。
視線を向けるとそこにはカルマ。
「A。さっきみたいに感情的になる禁止。ムカつくのは分かるけど、相手は死神だ。分が悪い」
『…分かってるよ』
「俺が絶対に守るから。無茶しないでよ」
『…考える』
死神も私の何をどこまで知っているのか、なぜここまで私の神経を逆撫でしてくるのか。私はそれで頭がいっぱいだった。
「全員来たね。じゃあ閉めるよ」
侵入してきたドアを閉めて、私達の退路を断つ。
カルマは天井を見上げて監視カメラに向かって話す。
「ふーん。やっぱりこっちの動きは分かってるんだ。死神ってより覗き魔だね」
「約束は守ったでしょ！？ビッチ先生さえ返してくれれば、それで終わりよ！」
メグちゃんがそう言うと、部屋が大きく揺れて床が徐々に落ちていく。
少しすると、眼の前は鉄の格子になりトンネルのような奥行きのある吹き抜けが目の前に広がった。
そこにいたのは死神と拘束されたビッチ先生だった。
「捕獲完了」
「ビッチ先生…！」
「くそ！！」
檻に閉じ込められた私達は、必死に出口を探していた。
「俺達が反抗的な態度取って、頭にきて殺したりとか…」
「しないよ。子供だからってビビりすぎだろ」
「いや…ちょっぴり安心した」
岡島くんが死神と話し、気をそらしてる間に三村くんが声を上げる。
「ここだ！空間のある音がする！」
そう言うと、竹林くんがお手製の爆薬を、愛美ちゃんがカプセル煙幕を…。
私達はその一瞬で檻を抜け出した。
*
「聞こえるかな。E組の皆」
仄暗い地下通路を歩いていると、キーンとスピーカーの音声が入る。
「実はね、君達が逃げてとっても嬉しかったよ！道の大物の前の肩慣らしだ！期待してるよ」
「まるで…ゲーム感覚」
『きもすぎでしょ』
しばらく話し合って、ここで死神を迎え撃つことにした私達。
律ちゃんもハッキングされ、データでの援護は出来なくなってしまった。
すると、微かに足音が聞こえてきた。
「A。ずっと俺の後ろにいて」
手を引かれ、足音とは反対にカルマの背中に回る私。
「いい？ここで余計なことして死んだりして、推しに会えなくなるのはAだからね」
…ほんと、口が上手いんだから。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 246人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
