死神の時間・前編(2) ページ21
「やっぱりそうだ…ねえ、君達！あの後大丈夫だったのかい？おじいさんの足の怪我！」
頭を悩ませていると、後ろから朗らかな青年の声がした。
振り向くと、花屋の移動販売のお兄さんが立っていた。
「あの時は、ありがとうございました。なんとか許してもらえて」
潮田くんの話によると、そのお兄さんはわかばパークの園長先生との事故のとき、即座に救急車を呼んでくれて人だそう。
「そっか…大事にならなくて良かったね。それに今、プレゼントの話してなかった？」
「あ…はい！」
「なら、これはどう？」
お兄さんは、有希子ちゃんに一輪のバラを渡した。
「なるほど！花束ね！」
「プレゼントなんて選び放題の時代。なぜ未だに、花が第一線で通用するか分かる？」
確かに、アイドルの生誕祭にもフラスタは欠かせないし。花じゃなくて弾幕とかでもいいはずだ。
「心だけじゃないんだ。色や形、香り、そして儚さが人間の本能にぴったりとはまるからなんだ｣
「わぁ…説得力ありますね！」
「確かに名演説。電卓さえ持ってなければね」
「あ…はは…一応商売なんでね。これも花の縁だ。安くしておくよ」
*
「イリーナに誕生日の花束を…？」
お兄さんのうまい口車に乗せられて、私達は花束を烏間先生から渡すように話した。
「烏間先生、あのビッチが大事な戦力だと思うなら同僚として、人心掌握しとくのも大事な仕事じゃないの？」
『私達が花束用意したのは内緒でお願いします』
少し考えた後、烏間先生は口を開く。
「一理あるな。分かった。俺が渡そう。気遣いに感謝する」
そう言って花束を受け取った。
*
その後、すぐさまビッチ先生の意識を惹き付ける班に連絡を入れ、職員室の外の壁に皆で耳を傾ける。
すると、皆に手放されてご立腹なビッチ先生が職員室に入ってきた。
「イリーナ、誕生日おめでとう」
「え…嘘」
「遅れてすまなかったな。いろいろ忙しかった」
今までにないくらい良いムードに口角が上がる。
「やば…超嬉しい…ありがとう。
あんたのくせに上出来ね！なにか企んでんじゃないでしょうね？」
「祝いたいのは本心だ。恐らく、最初で最後の誕生祝いだしな」
「何よ…最初で最後って｣
「当然だ。任務を終えるか地球が終わるか。二つに一つ。どちらにせよあと半年もせず終わるんだ｣
一気にムードが変わり、私達にも緊張が走った。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
