ビフォーアフターの時間(4) ページ18
私達E組は園長先生を出迎えるため、一同が手を止め外に集合した。
「なんということでしょう！？」
外に園長先生の声が響く。
2週間ぶりに帰ってきたと思えば、彼を出迎えるのは2階まで増築されたログハウスのような施設。
1階しか無かったボロボロの平屋はあまりにも大きく生まれ変わっていた。
もちろん、変わったのは外観だけではない。
内装も小綺麗になり、多目的ホール、図書館、室内遊技場が新しく設営された。
「さあ、次はガレージへ」
驚いて唖然としている園長先生を誘導する磯貝くん。
そこには、事故の衝撃で壊れてしまった自転車の前輪を2輪にした赤い新品同様の自転車があった。
その自転車は電動式で、充電は遊具と繋がっているので子供たちが遊べば遊ぶほど、園長先生が助かる改造が施された。
「お前ら手際が良すぎて逆に気持ち悪いわ！」
久しぶりに正常な反応を見て、私はクスッと笑った。
暗殺教室の生徒とは言えど、こんなことを2週間でやり遂げる中学生はいないだろう。
「園長先生の思い出の詰まった入れ歯はベルに再利用」
「そんな匠の気遣い要らんわ！！」
…そこは中学生のご愛嬌ってことで、ね。
そう突っ込んで、皆を見渡す園長先生。一息ついて冷静に話を始めた。
「いくらものを充実させても、お前たちが子供たちの心に寄り添えていなかったら、この2週間を働いたとは認めんぞ｣
園長先生の子供たちを心配する思いが皆に届き、息を呑む。それを切り裂くかのようにさくらちゃんの声が響いた。
「おーい！渚！じゃーん！なんとクラス2番！」
不登校児だったさくらちゃんは、ランドセルを背負い満面の笑みで潮田くんに駆け寄る。
その手には95点と書かれた算数のテストが。
「おー！すごい！頑張ったね！」
「渚の言う通りやったよ！算数のテストの時間だけ不意打ちで出席して、解き終わったら速攻で帰った」
「いじめっ子も、テストの最中じゃ手の出しようがなかったでしょ」
「うん！先生以外、誰にも行くこと言ってなかったしね」
「自分の一番得意な一撃を、相手の体勢が整う前に叩き込む。これが僕らE組の戦い方だよ、さくらちゃん。
こんな風に一撃離脱戦を繰り返しながら、学校で戦える武器を増やしていこう」
そう言う潮田くんに恋でもしたのか、さくらちゃんは頬を染めてこれからも勉強教えて、と約束をする。
周りの生徒も無自覚って怖いね、と若干引いていた。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
