リーダーの時間(6) ページ12
「E組の勝ちだぁぁぁ！！！」
「やった！やったよ！Aちゃん！勝ったね！」
『うん！勝ったよ！』
E組生徒の歓声が響き、またも殺せんせーの連写が始まる。
そんなE組を他所に何とも言えない空気が本校舎の生徒には漂っていた。
「A、俺かっこよかった？」
『カルマ…当たり前だよ。かっこよかったよ』
そう言うと、抱きしめてくるカルマ。
「今週のお泊り楽しみだね」
…あぁ。忘れてた。
*
そして体育祭は終わり、客席の椅子を私達は片付けていた。
「磯貝せんぱぁーい！かっこよかったですぅ！」
「おぉ！ありがとう！危ないから真似すんなよ」
なんと、あのエンドのE組が本校舎からチラホラモテ始めたじゃないか。
「でもほんと、空気変わったよな。特に下級生達からの」
「もしかして俺ら浅野達よりすげーのかもなぁ」
『あと勝たなきゃいけないのは成績だけねぇ〜、岡島くん』
「ゲ」
あははっと笑うE組には、最初の頃の劣等感なんて微塵も感じられなかった。
_片付けも終えて旧校舎に戻ろうとした時、皆は学秀と五英傑が話しているところを見つける。
「おい浅野！二言はねぇだろうな。雪目の件と例の件は黙ってるって」
前原くんがそう言うと、学秀の目線が私に向く。その目は少し切なげだが同時に覚悟を感じた。
咄嗟に、カルマは私の肩を抱いて私を離れないようにした。
「僕は嘘をつかない。君たちと違って姑息な手段は使わないからな。
次はこうはいかないからな」
そう言って踵を返す学秀。後を追おうと足を一歩前に出すと
「どこ行く気？本命は俺なんでしょ？」
『ん…もちろんだよ』
カルマに止められ、その場に踏みとどまる。小さくなっていく学秀の背中を私は唖然と見送った。
「気にすんなよ。お前の苦労なんかあいつには分かんねえんだから」
前原くんが磯貝くんの肩に手を置き、優しく励ます。
「…いや、俺なんてあいつに比べれば苦労人でもなんでもないよ。
皆に助けられた今日なんかさ、貧乏で良かったなんて思っちゃったよ」
そう言って、私達に足並みを揃えてくれる我らがリーダーの磯貝くんはやっぱりイケメンだ。
「わっ！パン食い競争の余りがある！これ持って行ってもいいかな！？」
どこまで行っても親しみがあって、皆から愛される磯貝くんの姿に自然と皆の顔が綻んだ。
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れれれ(プロフ) - 翡翠さん» コメントありがとうございます！おかげさまでやる気が出ました！笑 ゆっくり更新になると思いますが、これからもぜひご愛読ください！ (4月24日 7時) (
レス) @page7 id: 9952432436 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 続き楽しみにしてます (3月24日 11時) (レス) id: 3fe3017824 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れれれ | 作成日時：2023年12月24日 0時
