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「それでスケープゴートくん。
君の言ってた落し物って…」
オールマイトはんが少し戸惑いながらもその物体を俺に渡す。
出久くん達はそれを見てあっ、と声を漏らしていた。
「…せや。それが落し物や」
あの銃の敵はんがもっていた銃。
黒く輝くその銃身を俺は手に取った。
「…おおきにな、オールマイトはん。
これ拾うてくれて。
ふふっ。安心しぃや。これさえあればとりあえずは守れるさかいに。
うん？あんさん、俺の個性知ってはりますよね？」
「あぁ。知っているとも」
「なら説明は不要やね。俺もできる限りの援護はするさかいに」
ほな、あんじょうおきばりやす。
俺からは言うことはもう無かった。
その意図を汲んだのかオールマイトはひとつ頷いた。
「皆、入口へ。相澤くんとスケープゴートくんを頼んだ。
相澤くんは意識がない。スケープゴートくんは足を折られている。
早く！！」
「オールマイトだめです！！あの脳ミソ敵！！
ワン…っ、僕の腕が折れないくらいの力だけどビクともしなかった！！きっとあいつ…」
「緑谷少年」
オールマイトはんはニカッ、と笑って答えた。
「大丈夫！」
それだけで十分やった。
あぁ。ほんまにかっこええわ。あの人。
「ねぇ、先生。
さっきあの敵との会話が聞こえてきたんだけれど」
「うん？…あぁ、あのオールマイトはんに助けを求めた時のやね？」
「ケロ。先生の強みは個性の秘匿だと思っていたんだけど、ヒントを与えちゃって良かったのかしら？」
「全然問題は無いで。だって俺、あん時個性使ってなかったんやもの。いわゆるブラフっちゅうもんやね」
敵はんらに俺の個性をわざと違うものであるかのように錯覚させた。
具体的な個性でなくても構わへん。
肝心なのは俺の個性を誤認してくれること。
「梅雨ちゃん肩貸してくだはる？
足がごっつう痛いねん」
「もちろんよ、ケロッ」
手助けをしてもらって、ようやく立ち上がることが出来た。
けんけんして移動せなあかんなぁ…。嫌やわぁ…疲れる…。
「選率先生は、何故僕達に銃を…？」
当然、出久くんから発せられた質問。
俺はそれを目を合わせて答えることが出来ひんかった。
「…それがあの時の最善手やと思ったんや」
苦しげに、言い訳かのようにその言葉は吐き出された。
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鯱の助(プロフ) - 京美人に釣られて一気読みしてコロリと落ちました…べらぼうに好きです。だいぶ前の更新で止まっているので旬が過ぎてしまったのかもしれないと思いつつ、読みたいという一心で更新が来るよう祈っています…失礼しました。 (2021年10月25日 3時) (
レス) id: 6ff457e429 (このIDを非表示/違反報告)
セイラ(プロフ) - 主人公が好みすぎて最高です(笑 大変だとは思いますがこれからも頑張ってください！応援しています！！ (2020年4月26日 5時) (レス) id: 5ca5505410 (このIDを非表示/違反報告)
はす(プロフ) - 続きが気になり過ぎて……更新頑張って下さい！！！ (2020年3月30日 0時) (レス) id: ea36bea7ab (このIDを非表示/違反報告)
黒薔薇(プロフ) - これをみて下さっていることを祈っています。本当に面白くて、何度も読んでいます。ご事情も色々とあると思いますが、いつか更新を再開してくださると嬉しいです。 (2020年2月11日 11時) (レス) id: 595b98bf42 (このIDを非表示/違反報告)
アイウ - 更新待ってます！無理をしない程度に！できれば早く！(言動の不一致) (2019年9月23日 7時) (レス) id: 5fd2a8746a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひねのみ | 作成日時：2018年11月26日 15時
