１５話 ページ19
ただ今１１時。もちろん深夜の。
私は玉狛支部の屋上にいる。
そして、隣には悠一。
「こんな夜遅くに悪いね」
「いや、全然大丈夫だよ。おれもAさんと話したいと思ってたんだ」
へらっと力なく笑う悠一。
「そっか。なんでも聞くからさ…適当に話しなよ」
私がそう言うと悠一はポツリポツリと話し出した。
「うん、ありがとう。…おれさ、風刃を手放す覚悟ができてるつもりだったんだ。実際やってみるとさ、やっぱり少し…いやかなり…キツいかな」
そして、そのままポロポロと言葉を溢す。
「太刀川さんや風間さんには、平気だって明るく言ってみたけどさ。もっと…頑張ってたらなんか違ったのかな…なんて考えちゃうんだ…」
口からこぼれる言葉に呼応するように、悠一の目から涙が溢れる。
「悠一は自分の選択に後悔してんの？」
私の問いに首を横に振る悠一。
「私にはさ、他にどんな未来があったかとか、悠一の''視えてる''ものがどんなものかなんて分かんない」
俯いている悠一に…誰よりも優しい目の前の人間に、少しでも届くように続ける。
「でも、頼っていい。悠一が私に助けて欲しいなら…どんな状況でも私は助けるよ」
悠一の顔は見ずに頭を撫でる。
「……あり…がと、…ありがとう」
と、静かに涙を流す悠一の頭を撫で続けた。
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それから少しして泣き止んだ悠一は、最初よりも明るい声で
「おやすみ、Aさん」
と部屋に戻って行った。
そして私も今本部に戻り、自室に向かっている。
「お前、こんな時間に何やってるんだ」
聞き慣れた声に振り返るとそこには、
「こっちの台詞だよ〜真史」
「…どうだった」
「？…あぁ悠一？まぁ大丈夫でしょ。少し息抜きが出来たとは思う」
多分。
「…そうか、良かった」
聞くぐらいなら自分で行けよ。
なんて言ったらただでは済まないから黙っておく。
すると、
「お前は…大丈夫か？」
なんて聞いて来た。
…ほんっと、嫌な奴。
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skyzero(プロフ) - 浴衣シグさん» ありがとうございます！これからも頑張ります。 (2020年11月23日 16時) (
レス) id: 906491576b (このIDを非表示/違反報告)
浴衣シグ - この小説、応援してます！がんばってくださいね！ (2020年11月23日 16時) (レス) id: 0bc9a44903 (このIDを非表示/違反報告)
skyzero(プロフ) - 、さん» すみません！急いで外させていただきました！ありがとうございました。 (2020年8月27日 21時) (レス) id: 86e3ec0500 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：skyzero | 作成日時：2020年8月27日 21時
