【 BL 】週刊誌記者が逆に週刊誌に撮られた異例について。【名前変換オリジナル】

緊急事態発生18 ページ20

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数日経ってから、だ。
皇紫苑からはなんの音沙汰もなく、普通の日常に戻ったかのように感じていた。Aは相変わらず自宅にいた。何度か、彼から何か連絡来るのではないかと淡い期待を持っていたが、思いのほか何も無い。

「忙しい…よな。また髪の色変わったりしたのかな」

日付が変わる事に眠っている間に着信履歴がないかと、携帯を気にするが何も無い。と言っても、自分はあの人に返事をしないといけない。むしろ連絡しないといけないのは自分なのではないか。

「うぅ…、出来るわけないよ…そもそも何も心は決まってないし」

また、連絡することも断念する。冬哉には何度か、携帯を奪われ連絡をかけられそうになったことは何度かあったが、丁度電話に出ることはなくて、掛け返してくることもなかった。
画面を落とし、はぁぁぁと大きなため息を漏らした。すると、1つを通知音が鳴った。まさかな、と思って携帯を覗く。

「……ぁ、…え…？」

ただのニュース速報の通知だった。が、Aはショックのあまり手が震えて携帯を落としてしまった。
内容は、新たに報道された。女性プロヴァイオリニストとの熱愛疑惑だった。
遅かった。遅かった、もう答えなんて要らないんだ。
きっとそれで連絡も返してくれなかったんだ。

やっぱりあの人が自分を好きなるわけもないし、男なんて好きになること無かったんだ。

「わかってたのに、信じてないのに」

でもこんなに、直ぐに夢が覚めてしまうなんて思わなかったんだ。
前の妻に半ば脅されて結婚した、冷たくて怖くて苦しかった。あの人は意地悪だけど優しいから少し信じてみたかったんだ。

「皇さん…っ」





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