壊れそうな片思い(S.S) ページ10
私は溺れている。
A「…誠也くん、」
末澤「ん？」
誠也くんを好きになってからずっと溺れている。
A「あ…えっと、何もない…です」
末澤「え？何？何なん？」
片思いという名の海に溺れ続けている。
末澤「何か言いたいことあるんやったら…」
A「あ、いや、忘れちゃいました」
末澤「はあ？」
A「…ごめんなさい」
事務所の先輩と後輩。
私達はそれ以上でも以下でもない。
その関係性を何度苦しく思ったことか。
まいジャニの収録前。
楽屋には2人きり。
ほんの一瞬だけ"伝えられるかもしれない"なんて希望が湧いたものの、結局言葉にできないまま。
たった2文字、されど2文字。
どうしたって口に出せずに情けないままの自分を嫌いになっていく。
末澤「話聞いたろか？」
A「えっ？」
末澤「何か悩んでんねやったら聞いたろか？って」
私の悩みなんてたった1つしかない。
だけどそのことを誠也くんは知らない。
思いの大きさも心の苦しさも、何もかもを彼は知らない。
A「あ…大丈夫、です」
どれだけ考えたって誠也くんのことしか浮かばない日々がただただ過ぎていく。
彼の背中を追いかけ続けてきたけれど、既に手の届かないところまで行ってしまったような気がする。
これだけ間近で見てきたというのに、まるで嘘のよう。
気になるくらいが楽しかった。
ハマってしまえばもう手遅れで、そこから先は幸せなんて存在しなくて。
―それでもやっぱり私は誠也くんのことが好き。
何度も諦めようとした。
だけど気付けば一周してまた誠也くんのことを考えている自分がいた。
例え100回諦めたって1つの"好き"が勝ってしまう。
仕草も笑顔も全てが愛おしい。
収録中も楽屋での姿もプライベートの表情も、全部。
例え100個嫌いなところを見つけたって1つの"好き"が勝るほどに。
小島「おはようございまーす」
末澤「小島早いやん」
小島「え？誠也くんこそめちゃくちゃ早ないっすか？」
末澤「前の現場まあまあはよ終わって…」
だけどこれはあくまで片思い。
常に一方通行で独りよがり。
私の気持ちが報われることはこの先二度とない。
伝えない限りは伝わらない。
そんなことはとっくに分かっている。
でも多分、
きっと、
気持ちを伝えたところでやっぱり片思いなんやと思う。
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
