Please,find me!call me!(K.K) ページ5
晴れた朝。
風で揺れる前髪。
それなりに混み合う駅のホーム。
「間もなく3番線に参りますのは、特急―」
改札を出て西口へ。
ほぼ無意識的に人混みの中で視線を泳がせる。
―見つけた。
10mほど先で歩く背中を捉えた。
その瞬間に深く息を吸って心を落ち着かせる。
通り道のウィンドウで前髪とグロスをチェックして―
大丈夫、完璧。
いざ声をかけようと歩みを早めたその時、見覚えのある女の子達が私を追い越すように駆けていった。
「こーじけん！おはよー！」
小島「おー、おはよう」
「今日早いやん、1限？」
小島「そ。マジで眠いわあ。」
何やねん、あの子ら。
どっかいってくれへんかな。
こっちはあんたらよりずっと真剣やねんけど。
―なんて思いながら再び歩みを早める。
視界に入るレベルでほんの少し遠回りして、心に抱いた勇気を振り絞るように口を開いた。
A「小島くん、」
小島「あれ？今日早いやん、おはよ」
A「…おはよう」
胸の辺りがじゅわっと熱く、ぎゅっと苦しくなる。
真っ直ぐに通った鼻筋と広い二重幅に目眩を覚える。
この顔を見上げる度に"好き"が増して、もう止まれないところまで来てしまっているのだと自覚させられる。
小島「1限？」
A「あ…ううん、レポートやろうと思って」
必死の嘘。
本当は小島くんの通学時間に合わせて来ただけ。
レポートの提出期限にはかなり余裕があるし、焦って取り組む必要はない。
小島「へえ、偉いやん」
小島くんと初めて会ったのは1回生の頃。
当時所属していたサークルが同じだった。
今は互いに辞めてしまったけど、それでもこうして顔を合わせれば話すくらいの中。
―と言っても会話はいつも私から。
彼から声をかけられたことはない。
A「あれ、」
小島「ん？」
ふわりと舞った香りに違和感を覚える。
いつもと違う少し爽やかな香り。
小島くんは香水つけるようなタイプとちゃうし、
これは多分柔軟剤、やけど。
小島「何？」
A「あ、ううん、何もない」
"柔軟剤変えた？"なんて質問は多分変。
ギリギリのところで疑問を飲み込んで消化していく。
A「ちょっと髪切った？」
小島「あー…ちょっと、だけな」
私なんかよりずっとキュートな照れ笑いを見せた小島くんを改めて好きだと強く思った。
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
