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佐野「どうしたんすか？プライベートで誘ってくるなんて珍しいっすね」
スタジオ近くの洋食屋。
ログハウスのような店内の雰囲気が心を安らげる。
末澤「…まあ明日オフやし」
メニューに描かれた可愛らしいオムライスのイラスト越しに誠也くんの表情を盗み見る。
何を考えているのかは分からない。
注文を済ませてからすぐに運ばれてきたジュースのストローを咥えた。
甘酸っぱい香りが舞って、俺はまたAとの何かを思い出しそうになる。
末澤「佐野、振られたんやろ？」
佐野「は？…え？何？何の話っすか？」
末澤「分かりやすく動揺すんなや」
どうやら最年長にはお見通しだったらしい。
諦めて小さく頷いてみる。
末澤「やっぱりな」
そう口にしながらメニューを手に取った誠也くんがデザートのページを俺に向ける。
呆れつつも俺のことを思ってくれていることが伝わってきて嬉しくなった。
末澤「なあ、考えるだけ無駄やで」
佐野「…分かってますよ、そんなん」
末澤「前俺が一緒におるとこ見かけた子？」
佐野「…そうです、その子です」
誠也くんだけは俺に彼女がいることを知っていた。
だからこそ気持ちを感じ取ってくれたのかもしれない。
末澤「…ま、無理に忘れる必要ないんちゃう？」
佐野「え？」
末澤「考えるだけ無駄やけど、でも考えてしまうんやったら暫くは浸ったらええやんか」
頬杖をついて窓の外に視線を寄越す誠也くんの横顔に見惚れる。
そういえばこの人、ちゃんと大人やった。
末澤「…好きなもん好きなだけ食ってええよ」
ぶっきらぼうに言い渡されたその言葉に目頭が熱くなる。
きっと考えているうちは消えない。
なくせない、なくしたくない思い出が多すぎるから。
胸の奥に突き刺さったまま抜けないAの存在を否定することは不可能だ。
何をしてもどう過ごしても結局また会いたくなってしまうだけ。
―それならばいっそ、もう帰ろう。
2人が出会ったあの頃に、
手を繋ぐだけで鼓動が高鳴っていたあの頃に。
佐野「…誠也くん」
末澤「ん？」
カメラの前以外で久しぶりに口角を上げた。
佐野「ありがとうございます」
末澤「ん。ええよ。」
Aがまた俺のことを好きになりますように―
Fin
Shunari/reGretGirl
Lyric&Melody(K.K)→←出会ったあの頃に(S.M)(S.S)
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
