みんなが好きなあいつ(K.K)(F.T) ページ35
大晴はモテる。
「大晴くん…2人で話せへん？」
福本「え？今？」
「うん…」
くるりとこちらを振り返った爽やかな表情。
可愛らしいぱっちりおめめを数回開閉した後、口角が綺麗に上がった。
福本「こじけん、ちょっと待っとって！」
小島「あー、うん。」
また告白、か。
大晴は高校生の頃から人気者だった。
同じクラスの女子なら誰しも1度は好きになるタイプ。
そんな大晴の隣を歩く俺は女子からの熱視線にいち早く気付く能力を養ってしまった。
当の本人は鈍感故に思いを伝えられる度驚いているけれど。
告白されている大晴を待つのももう慣れた。
この時間はいつもイヤホンを装着して好きな音楽を聴いて、大晴に思いの丈をぶつけているであろう健気な女の子の気持ちをぼんやりと考える。
福本「こじけん！」
暫くした後、遠くから呼ばれて顔を上げた。
駆け寄ってくる大晴は少し困ったような顔。
福本「ごめん、待たせて」
小島「ええよ別に」
その背後から現れた先程の女の子は目を真っ赤にしている。
小島「振ったん？」
福本「え？」
小島「あの子。振ったん？」
福本「何で分かるん？」
小島「そら分かるやろ。てか大晴が鈍感すぎやわ。」
どうせ皆大晴が好き。
別に卑屈になっているつもりはない。
俺やって大晴の引き立て役になれるほど顔悪くないし。
大晴ばっか引っ張りだこで寂しいわけでもない。
俺自身、モテたいわけちゃうし。
でも―
A「あれ？もう帰るん？」
俺にも譲れないものはある。
A「講義終わり？」
福本「いや、俺ら今日レポート出しに来ただけやから」
A「あ、そうなん？」
大晴のお陰で女子の気持ちに敏感な俺が唯一何を考えているのかさっぱり分からない相手、それがA。
A「どっか行くん？」
福本「駅前の焼肉行ってくる」
A「ええなあ」
大晴を見上げる女子の目には慣れているはずなのに、Aが視線を合わせている瞬間は苦しくて仕方がない。
俺の方を見てほしいとか俺だけを捉えていてほしいだとか、そんな自己中心的な考えがぐるぐると巡ってしまう。
福本「Aも来る？」
あまりにもフランクに誘う大晴に驚いて思わず横顔を凝視する。
大晴のこういうところが思わせぶりとか勘違いを生んでしまうことを俺はよく知っているから。
A「ううん、私まだ講義あるから」
―少しホッとした。
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
