高嶺の笑顔に魅せられて(M.Y) ページ13
多分俺はまだ彼女のことを殆ど知らない。
小島「まっさーん」
正門「ん？」
福本「学食行くやろ？」
正門「あー…うん」
混み合う廊下を数回曲がって更に混み合う学食へ。
毎日のように大勢の学生達が集うこの場所はあんまり得意ではない。
福本「…何なん？今日のまっさん」
小島「さあ？」
背後から2人の声が聞こえてきた。
俺には聞こえていないつもりかもしれないが、人混みの中にいるせいかそこそこの声量が出てしまっている。
福本「暗いよなあ」
小島「何かあったんちゃう？」
いっそ放っといてくれへんかな―
友人達には申し訳ないけれど、今の状況を説明する術がない。
俺は今どうしようもない悩みを抱えたまま日々を過ごしている。
小島「え〜、やっぱうどんやろ」
福本「チキン南蛮やろ！」
気付けば話題は昼食のメニューへと移り変わっていた。
そのことに少しほっとして辺りを見渡す。
だけど彼女の姿はない。
―会いたいなあ。
元を辿れば彼女と俺を出会わせたのは他でもない、背後でチキン南蛮トークに熱を上げている福本大晴。
10人程で集まった飲み会中に彼女を指し、"俺と同じサークルの子"と雑すぎる紹介をしていた横顔を思い出す。
大晴はその直後早々にトイレジャックを始めてしまった為、それ以上彼女の情報は得ることはできなかった。
つまるところ、彼女から見た俺はきっと"友達の友達"でしかない。
所謂"知人B"である。
でも彼女は信じられないほど美しく笑った。
たかが"知人B"に向けられた笑顔があれなら彼女は恐ろしい人だ。
あんな表情を見せられてしまえば好きになるのはほんの一瞬の出来事。
俺は面白いくらい綺麗に恋の罠へとダイブしてしまった。
これが俺のどうしようもない悩み。
簡潔に一言でまとめると、"片思い"。
福本「まっさんもうどんにしたん？」
正門「うん、」
小島「暑いと食欲落ちてくるよなあ」
福本「え〜？全然平気やなあ、俺」
彼女の恋人になるのはきっとモデルみたいな人。
焼けた肌がよく似合う年上で、洋楽が好きで。
高身長故にキスを交わす時に彼女は背伸びをし、頭を撫でられ上目遣いではにかむだろう。
―あかん。何も勝てへん。
誰だか分からない架空の人物にさえ惨敗してしまう自分が情けない。
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
