真夜中過ぎの痛み(F.T) ページ1
―目が覚めた。
何だか妙にリアルな夢を見ていたような気がする。
だけどそんなものを思い出せるほどの余裕はない。
脳を直接ノックするようなボリュームで鳴り響く着信音のせいでここは既に純度100％の現実世界と化している。
"どうせ"って決めつける言葉は好きじゃなかったはず。
見聞きする前から知ったような言葉を並べるのは弱者のやり方だと信じてやまなかったはず。
―だけど今の俺は違う。
福本「…もしもし？」
寝起きの声、いやに低くて嫌いやねんなあ。
A「あ…ごめん、起こした？」
時刻は真夜中過ぎ。
大抵の人が寝ているであろう時間帯に電話をかけてきておいて気遣う素振りを見せるわざとらしさに嫌気がさす。
"どうせ"また彼氏の愚痴聞かされるんやろ？
ほんで3日くらいで仲直りするいつものパターンやろ？
―そう分かっているのに"どうしたん？"と話を掘り下げてしまう自分に呆れ果てる。
惚れたもん負けとはよく言ったものだ。
どうやら人間の脳内には好きな人に抗えないシステムが組み込まれているらしい。
A「めっちゃ聞いてほしい話あって…」
福本「ん、何？」
A「彼氏が誕生日にあげたネックレスつけてくれへん…」
どーーーでもええやん、そんなん。
好きなんやろ？好きならそれでええやんか。
好きな男と付き合えてる時点で勝ち組やん。何なん？
隙あらば他の男に愚痴ってストレス発散してるけど、このこと彼氏が知ったら絶対良い気せえへんやん。
―なんて言えるわけもなく。
福本「え〜…何でやろ？」
A「私も分からへん、けどこないだも喧嘩になった時―」
しょうもないエピソードトークは続いていく。
こんな話を聞かされ続ける時間は不毛でしかないのに電話を切れないのはやっぱりAのことが好きだから。
片思いだと分かっていたって好きでいることをやめられないから。
人のもん好きになったらあかんルールなんてある？
―答えはNO。
そもそも俺はAが今の彼氏と付き合うより前からずっと好きだった。
福本「―でもそれはAも悪いんちゃう？」
A「まあ…そうやけど」
福本「謝ってみたら案外変わったりする時もあるやん？」
ご丁寧に解決策まで提案する俺の気持ちにそろそろ気付いてくれてもええやんか。
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ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» こちらこそ最後までお付き合い頂き、ありがとうございました！またいつか短編集を作りたいと思っているので、是非お楽しみにしていてください☺️ (2023年3月16日 22時) (
レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - この作品すごく好きなので終わってしまうのは悲しいですが今まで本当に有難う御座いました🥺💓短編集が好きなのでまた作って欲しいなとか思ってます😂主様の作品全部好きなのでまだまだ楽しみにしてます(> <)今までお疲れ様でした😌 (2023年3月15日 18時) (レス) @page50 id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
ﾋﾟﾝｷ(プロフ) - ふさん» ありがとうございます！とても嬉しいです😌これからも是非楽しんでください！ (2023年3月5日 17時) (レス) id: 9e28345530 (このIDを非表示/違反報告)
ふ - 主様の作品毎日めっちゃ楽しみにしてます🥺✊🏻いつも胸がキュッとなる物語ばかりで読んでてすごく楽しいです(＞＜) (2023年3月5日 16時) (レス) id: 77b65fcba7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾋﾟﾝｷ | 作成日時：2023年2月7日 21時
