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気づかないふり ページ45

.



「髪の毛も血がついて、、、」



『すみません直ぐに退きますから』





ようやく出た言葉はこれだけ


右頬を見られないように右頬に手を添える





「面布は?顔が血まみれではございませんか!?」





ガシッ




うぉおおぉおおお!?


なに此奴ぅ!?肩を離して欲しいんやけど!!





『ちょっと』



「、、、素顔を見るのは久しぶりです」





ボソリとそんな声が聞こえた




そういやそうやったな


子狐の時は一緒に風呂入る時くらいしか面布外さなかったし





「何故右頬を隠しているのです?」



『さ、さぁ、、、?』





小狐丸の手がスルリとうちの頰に添えられる




まるで慣れてるかのようにやるもんだから少しムッとした





「外して、、下さいますか?」



『、、、嫌です』





ニコリとした笑顔で右手を外そうとするけど


うちは絶対に外さない、だって小言を言われたら嫌やし





「外して下さい」



『嫌です』





痛くはないけど絶対に離さない力加減で


うちの右手を剥がそうとする小狐丸の大きい右手が憎らしい





「外せ」





ビクッ




ついに怒ってしまったのか?




そろりと小狐丸を見上げると目が本気になっていた


元から三条という謎のオーラが更に強くなっていて怖い




渋々右手を外すと小狐丸は息を飲んだ





「、、、誰にやられたのです?」



『今日の晩飯になる熊です』





多分、今頃は燭台切や歌仙が必死でさばいてるよ←




そんな事を呑気に考えていると


ソッと優しく右頬の傷を指で撫でられた





「あぁ、、お(いたわ)しい


 さぞ痛かったでしょうに、、、しかも顔に傷とは、、」





何度も何度も優しく右頬を撫でられてくすぐったい




てかまた顔かよ





『もう痛くありませんし


 傷の1つや2つくらいなんとも思ってないのに、、、人は顔で評価されるんですか?』





まぁ顔があんたらみたいによかったら人生イージーモードやけどな




てかなんでそんなに顔、顔、顔言われなきゃいけないんだよ





「そうではないですが、、、」



『結婚する気も全くないですし、それに他人事でしょう?』



「違いま、、、!


 、、、そ、れも、、そう、ですね」





小狐丸は何か言いたそうにしたが


直ぐにそうですねと小さな声で呟くように言った





『じゃあ私はもう行きますね』





小狐丸の悲しそうな視線には気づかないふりをして


うちは審神者部屋へと向かった



.

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作者名:彼岸鬼 | 作成日時:2018年8月14日 9時

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