彼の名前 ページ17
次の日、いつも通りの電車に乗ると彼はいなかった。次の日もまた次の日も...。
また空白の時間...。
モヤモヤして心が痛い、胸が痛い...。
あの日彼と会話したのは何だったのか考えてみた。
ただの夢だったのか...、いや、違う。
嫌われたんだ...。
その思いだけが胸を貫いた。
他のことも考えられないくらいだった。
------------------------------------------------------------------------------------------
月日はあっという間に流れた。
朝起きて仕事に向かう、いつも通り。
彼と会う前のいつも通りを過ごしていた。
が、次の日いつも通り電車に乗り込むと彼がいた。
彼は私を見るなりこちらに向かってきて一言。
JB「おはようございます。」
あぁ、嫌われたんじゃなかった...、良かったとホッとした。
A「...おはようございます。」
自然と笑みが零れる。...っていうか日本語喋れてる。あれ...?
JB「今日はいい天気です。」
日本語勉強したのかなと考えながらも彼との会話を続けた。
カタコトだけども勉強したのだろう、たまに携帯で確認しながら。
JB「僕の名前はジェボムといいます。」
この時初めて彼の名前を知る、ジェボム...さんかぁ。
A「ジェボム...さんですね、私はAです。」
彼の名前を知ったことと日本語を一生懸命勉強して話しかけてくれたことが凄く嬉しかった。
彼が時折見せる笑顔は私には輝いて見えた。
98人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:かん | 作成日時:2015年11月30日 21時