17話 ー弟は知っているー ページ18
松村side
彼の急な感謝と謝罪にウチは驚いた。
松村「ごめんなさいってどういうこと？」
大輝「姉ちゃんあんな性格だからきっとみなさんと既に揉めたりしたんですよね？」
ウチは黙って頷く。
大輝「最近何も話してくれなくて、何があったんですか？」
ウチは正直に、あったことを全て答えた。
大輝「なるほど、まず本当にごめんなさい。」
松村「え、君が謝ることじゃ…」
大輝「いえ、家族ですので。それに姉ちゃんは俺たち家族のためにそこまでしてくれてるんです。」
松村「家族のため…？」
大輝「はい。うち、家庭の事情で親もいなくて兄ちゃん1人でお金を稼いでくれて、でも俺たちのこれからのために姉ちゃんも一緒に働くっていって。」
そうだったんや。だからお金のために…
大輝「松村さん、お願いがあります。」
松村「お願い？」
奏side
朝起きると松村は既に家には居なかった。
やっぱり帰ったか。
私はなんのためらいなく準備を済まして家を出る。
だがレッスン教室に着くと私は驚いた。
既に運動着に着替えた松村がいたからだ。
奏「あんた何してんの？」
松村「ん？何って朝練？」
奏「いやそうじゃなくて…」
松村「ウチ今日から朝練やるから。まぁ時間帯が同じみたいやけどよろしくやで。」
何故時間がバレたか全く分からないがこのままだとまずいので私は部屋を出ようとする。
松村「待って」
だが彼女に止められ足を止める。
松村「この間の件、ウチが悪かった。ごめんな。」
やめてよ。こんな時に謝んないでよ。
松村「ウチな、昨日先生にグループで1番努力してないのはウチって言われたんよ。」
奏「…」
松村「その理由最初は全く分からんかった。
でもそれが今わかったんや。
それはウチはいつも誰かが出来るならウチも出来る。そう考えてたんや。
でもそれこそがこの前ウチが言ってた、見下してるってことなんやって。
ウチなんや、みんなを見下してたのは。」
奏「それでどうしたいの。」
松村「その時な、あんたは1番の努力家とも先生は言った。理由はどうであれ。
でもウチは理由こそ大切だと思った。」
それはその通りだ。
松村「でも違ったんや。」
奏「そうね、理由なんて所詮…」
松村「そうやない。ウチは今でも理由は大切やとおもう。
でもウチが言いたいのはあんたの理由や。
あんたはお金を稼ぐって言って本等の理由を隠しとる！」
奏「！？」
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作者名：乃木坂46御三家神 | 作成日時：2018年3月18日 10時
