急募:エボット山【ヒロアカ】【Undertale】 (ページ9)

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「…そうでしたね、姐さん。」
私がやるんだ。
私がやらなきゃ誰がやる。

「＿＿今行くっすよ！」
とりあえずアレ(0P仮想敵)の動きを止めなきゃ寝不足くんが潰れちゃうっすね！
倒そうにもブラスターじゃ火力不足そうっすね、避けるのが最善っすか、やっぱ。
私は足は速いほうっすけど、流石に間に合わない。
かといってブラスターを移動手段に使ったとして、速度を維持したまま彼を乗っけて避けるっていう器用なことは出来ない。
だから、
「ブラスター！」
ブラスターを先に飛ばして今にも降ろされそうな仮想敵の足を止めてもらう。ブラスター割と頑丈だから壊れないっすよね多分。
そして止めてる間に全力ダッシュ！寝不足くんを抱えてそのまま攻撃範囲外へ！
「…っ！あんた、」
「私にもあんたじゃなくてAっていうちゃんとした名前があるっすよ、寝不足くん。」
よし、ミッションコンプリート！無理に動いて怪我されてもアレなんでブラスターに乗っけたまんまでいいっすかね、蹴りでも壊せそうっすし。

「…いいな、恵まれたヤツは。」
後ろで寝不足くんが話し始めた。

「俺の個性はロボ相手じゃ効かないんだよ。だから受験に受かるはずない。」

「あんたの個性、攻撃向きだろ？この受験にはぴったりってわけだ。」

「…わかんないだろ、恵まれたヤツに恵まれてない俺の気持ちなんか。」

「ヒーローよりも敵みたいな個性に生まれた俺の気持ちなんか。」

…ああ、似てる。
昔の私に。
弱っちくてちっこいから、
体力も少ない猫モンスターだから、
強くなれるわけがない。
そう思ってた頃の私に。

「…寝不足くん、」

「試験終了～～～!!」
…終わった。終わったんだ。

「…終わったな。あんたなら受かるだろ。あんだけバンバン壊してたんだから。じゃあな。」

「……待った、"心操"くん。」
心操くんは目を見開いて立ち止まっている。
お節介かもしれない。けど言わせて欲しい。
君は、私に似てたから。

「敵を倒すだけがヒーローじゃないっすよ。
人に安心を与える、人を笑顔にできる。
それができりゃ立派な"ヒーロー"っす。」
「チャンスが一度きりなはずがない。チャンスは自分で掴むものっす。」
「………何が、言いたいんだよ。」
怪訝そうな顔でこちらを見る。
一呼吸おいて、こう言った。
「君はヒーローに向いていると思うっす。個性とかも勿論、性格そのものも。」

「いつか、ヒーロー科で会おう。応援してるっすよ。」