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抱き寄せたAから、ふわりとボディーソープのいい匂いがする。
髪に顔を寄せれば、Aのお気に入りのシャンプーの匂い。
「…お腹、痛ない？」
『うん。大丈夫だよ』
「薬飲んだん？」
『ううん。今日は大丈夫』
そう言ったAをヒョイって抱き上げて膝の上に向かい合うように乗せた。
「Aポカポカやな」
『……』
「A？」
『……ふふ、湯たんぽみたい？』
「Aが湯たんぽやったら遠征に連れてくわ」
『トランクに入れて？(笑)』
「いや、抱っこして」
『ふふふ、ファンの人ビックリしちゃうよ？』
「公認やから大丈夫やろ」
『チームの皆さんに冷やかされるよ？(笑)』
「無視する」
『つば九郎さんにイジられちゃうよ？(笑)』
「Aは近づいたらアカンで？アイツは腹黒やからな」
『ふふ、あんなに可愛いのに腹黒なの？』
「ん。だから俺から離れたらアカンで？」
『ふふふ』
「A、返事は？」
『ふふ、はぁーい』
ニコニコ笑うAをぎゅうって抱き締める。
少し体を離して髪、耳、おでこ、目尻、鼻、ほっぺの順に口付ければ、くすぐったそうに笑うAが可愛い。
「A…」
『…ﾝっ…てつ…！』
食べるようにAの唇に被りつけば、俺の服の胸元辺りをキュッと握るA。
その手を離して俺の首に腕を回させて深くキスをする。
Aの頭を片手で支えて深く舌を絡ませれば、ビクッと跳ねるAの体。
角度を変えて何度も深くキスをする。
弱々しく俺の頭を抱くAが愛しい…。
ゆっくり唇を離せば、ヘタリ…と力の抜けたAの体が倒れ込んできた。
俺の耳元で荒く息をするAの吐息が耳に触れて、くすぐったい。
「ﾊｧｯ…A、ほんま可愛ええ」
『ﾝｯ……ﾊｧﾊｧｯ……て、つ』
「ん？どした？」
息が上がって潤んだ目で俺を見るAの顔にかかる前髪をよけてAを見れば、
『…足、調子悪いの？』
「…え？」
『違った…？』
「いや……ちょっと張ってる」
息が整ったAが問う。
…なんで気付いた？
今日の練習中、少し下半身に違和感があった。
まだ微妙な感覚やったからトレーナーにも、コーチにも…監督にも言ってない。
今も少し張ってるかな？ぐらいやし…
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作者名：しめじ。 | 作成日時：2020年3月23日 23時
