Der geliebte Mensch auf der Welt ２ (ページ43)

今日:13 hit、昨日:37 hit、合計:296,029 hit

・　　ゞページ43

『……』

「……」

お互いの顔が、瞬く間に赤く染まる。

気恥ずかしくて目を逸らせば、いつもは下ろしてる柔らかそうなA先輩の髪が…

「…髪」

『へっ…？』

「髪、朝と違うっすね」

俺の言葉に、自分の髪に触れるA先輩の小さい手。

『……コレ？』

「ん。…初めて見るっす」

『ふふ…これ三つ編みを崩してるだけだよ。朝は普通に三つ編みしてたんだけど、茉耶がこっちの方がいいって…』

「…ふわふわしてる」

雰囲気がいつもと違うからか、なんかドキドキする。

いつも女の子って感じやけど…

今日は特に、甘くて…ふわふわしてる。

だからなんか、男子生徒達がちらちらと、A先輩を見てるのが気に入らん。

って…彼氏でもないくせに、A先輩を誰にも見せたくないっていう…独占欲。

『…え？』

「…暑いから熱中症なったらあかんし…それ、綺麗なやつやから被っとって下さい」

使ってない方のタオルをA先輩の頭から被せれば、キョトンっとするA先輩に暑いからって無理やり理由つけて他の奴らから見えやんようにするって…ガキやん、俺。

『…ありがとう』

「…ん。」

タオルの端を持って照れくさそうに笑うA先輩が可愛いくて…少しでも俺の事を意識してほしくなる。

A先輩の髪に触れようと伸ばした手は、行き場を無くす。

生徒Ａ「あのっ、Aちゃん！」

『…え？』

声の方に目を向ければ見たことない男子生徒が一人、A先輩の後ろに立ってた。

A先輩もゆっくりと後ろを振り返る。

男Ａ「いきなりごめん。ちょっとええかな？」

『…？』

男Ａ「話があって…」

『私に…？なに？』

男Ａ「あー、えっと…」

そう歯切れ悪そうに、チラリと俺を見る。

背もまぁまぁ高いし、顔もどっちかっていうとイケメン。
A先輩にタメ語やし、見た感じ３年っぽいけど、A先輩もあんまり親しそうじゃないから普通科の生徒か…？

ってか、これ…俺が邪魔って言いたいんよな？

なんとなく、雰囲気でわかる。

まぁ、A先輩はこれから告白されるって全然気づいてないみたいけど…

男Ａ「すぐ済むから、ちょっと向こう来てくれへん？」

『ｷｬｯ……痛っ……やっ、やだ！』

そう言って、A先輩の手を無理やり引っ張って連れて行こうとするのを男の腕を掴んで止めた。