・ ゞ ページ37
山野「ってか、A先輩…なんで階段から落ちたんすか？」
『えっ！？…えっと、その…』
そう言った山野に、わかりやすく慌てるA先輩。
不思議に思ってA先輩を見つめれば、また目が合って見る見る内に赤く染まるA先輩の頬に驚く。
「…A先輩？」
名前を呼べば恥ずかしそうに俯くA先輩に、目の前に立つ山野を避けて近づこうとした時、
紗奈「山田、ストップ。…とりあえず、Aの事助けてくれてありがと。じゃあね、」
『えっ、ちょっと、紗奈…！？』
矢継ぎ早にそう言った紗奈先輩が、A先輩の腕を掴んで特進科の校舎の方へ走って行ってしまった。
その光景を唖然と見送る俺達。
橋本「…え、行ってしもたで？」
「……せやな」
山野「せやなって…ってか、A先輩顔赤なってへんかった？あーもうっめっちゃ可愛いかったんやけど！」
「……」
山野「痛っ、ちょっ、哲人殴らんで…！」
なんで見てんねん…
なんか知らんけど、ムカつく…。
橋本「……あー、なるほどねぇ」
そう呟いたはっしーが、チラリと俺を見た。
「…なに？」
橋本「…いや？…あっせや、山野〜！俺の分もコーラ買ってきてや」
山野「えー、一人寂しいやん。皆で行こや〜」
橋本「いやいや、思わぬアクシデントあったから昼休みもうすぐ終わるやん。クボ先とこ行くから時間的に自販機行けやんで？」
山野「マジか…！そらアカンって！俺めっちゃコーラ求めてるもん。ほな、行ってくるわ！哲人は？」
「…俺ええわ」
山野「ほいほい、ほな教室でな〜！」
橋本「よろしく〜」
そう言って、走って行った山野。
残されたのは俺と、ニコニコ笑うはっしー。
「……クボ先待ってるやろし行くわ」
橋本「俺も行くって〜(ﾆﾔﾆﾔ)」
「……なんか面白がってるやろ？」
橋本「いやいや、これは嬉しいねんって！」
「嬉しい…？」
うん、と頷いたはっしーが俺の耳元に近づいて
橋本「哲人…A先輩の事好きやろ？」
「なっ…！」
橋本「ちょっ、シィー……周りに聞かれたくないやろ？」
「……好きちゃうよ」
橋本「…ホンマに？」
「……おん。」
橋本「…もしかして、A先輩に彼氏おるって噂？」
「っ…」
橋本「でもさ、A先輩が言うてる訳じゃないやん。あくまで噂やし」
「……噂やないし」
橋本「…へ？」
「……A先輩の彼氏、見た」
橋本「…まじか」
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作者名：しめじ。 | 作成日時：2020年3月23日 23時
